金融庁、「エヌエヌ生命保険」に立ち入り検査へ 「節税保険」撲滅に向け、取り締まりを徹底強化

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さらに今回の金融庁検査は、節税保険の撲滅という所期の目的にとどまらず、業界再編の引き金をひくことにもなりかねない。

なぜなら、エヌエヌ生命は節税保険をはじめとした「法人向け保険のほぼ『一本足経営』で成り立っている」(同社元幹部)からだ。金融庁の取り締まり強化で、節税保険の販売を実質的に封じられた場合、現在の経営・人員体制を維持するのは難しくなるとみられる。

焦点は日本生命の動き

仮にそのような事態に陥った場合、エヌエヌ生命に救いの手を差し伸べる生保は現れるのか。過去にはエヌエヌ生命が抱える税理士代理店網に目をつけ、業界最大手の日本生命保険が買収を検討しているとささやかれたこともあった。

だが、節税保険への規制が年々強まる中で、身動きがとりづらくなっている生保をわざわざ買うメリットはやはり見出しづらいだろう。それでも、かろうじて買収の動機付けになる材料があるとすれば、グループでの規模拡大ぐらいだ。

そうした状況下で、折しも日本生命は2022年4~6月期の連結決算において、トップライン(保険料等収入)の規模で7年ぶりに第一生命ホールディングスの後塵を拝す結果になっている。

日本生命のトップライン首位に対するこだわりは、外野が想像する以上に強い。今後四半期だけでなく、年間を通じての成績で首位陥落が見えてくるようであれば、日本生命の動きから目が離せなくなりそうだ。

中村 正毅 東洋経済 記者

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なかむら まさき / Masaki Nakamura

これまで雑貨メーカー、ネット通販、ネット広告、自動車部品、地銀、第二地銀、協同組織金融機関、メガバンク、政府系金融機関、財務省、総務省、民生電機、生命保険、損害保険などを取材してきた。趣味はマラソンと読書。

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