自己肯定感が低い人に伝えたい、心が楽になる秘策 「いいね」を押すノリで自分を認める癖をつける

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私の仕事は作家やデザイナーという技術職なので、ある意味「代わりがいない職業」です。だからなのですが、同業者には必要以上にプレッシャーを感じて心を病んでしまう人もいます。

追い詰められるストレスで実力の半分も出せなかったり、それが原因で仕事を辞めてしまったりした人もいました。

でも、何年か経って別の場所で会うと、元気に前と同じような仕事をしていることが多いんです。プレッシャーから解放されて元気が戻れば、こんなふうにまたやりたいことを始めることもできるんです。ちなみに「代わりがいない職業」って、その職に就きたい人も多いので、なんだかんだと抜けた穴はすぐ埋まります。

つらいときは「一時撤退」して心を守る

また、これについては賛否があると思いますが、こういう仕事は仮に自分が亡くなってしまっても、社会からの要望が強ければ誰かが引き継ぐんです。例えば、国民的アニメの「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」「サザエさん」の原作者は故人ですが、アニメの放送は現在も続いています。

私も昔は「自分の代わりはいないから」と無理をしていましたが、今は「絶対に代わりがいないものってないんだな……」と、どうしてもつらいときは「一時撤退」くらいの気持ちで、逃げて心を守るほうが大事だと思っています。

プレッシャーを感じる今だけでもいいから、気持ちを逃がすことが大事です。今やっていることを途中でやめたり、無理に誰かに交代したりする必要はありません。「代わりがいる」は「お守り」くらいに考えてください。

本気で「これさえ持っていれば、いざというとき身代わりになってくれる!」と信じてお守りを買う人は少ないと思います。でも、お守りは持っているだけで心の拠り所や安心の材料になります。プレッシャーに押しつぶされそうなとき、「代わりはいるし、それが当然なんだ」と思うだけでも、少し肩の荷が下りるのではないでしょうか。

Jam 漫画家・イラストレーター・ゲームグラフィックデザイナー

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じゃむ

人間関係の悩みを描いたマンガ「パフェねこシリーズ」がTwitterで累計50万以上リツイートされ話題となる。著書に『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』(サンクチュアリ出版)のほか、『にゃんしゃりで心のお片づけ。』(PHP研究所)、『マンガ版 ちょっとだけ・こっそり・素早く「言い返す」技術』(マンガ担当/三笠書房)、『言いにくいことはっきり言うにゃん』(笠間書院)、『まねきねこのうた』(秋田書店)、『続 多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』(サンクチュアリ出版)などがある。

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