それでもやっぱり、親御さんとしては子どもが学校に行かないことへの不安は大きいだろうし、何より子ども本人も、学校に行かないって決めるのって、ものすごく怖いみたい。だからある意味、いもいもに来ている子どもたちはものすごく自立しているんですよ。学校に行かないって、なかなか決められませんよ。
いまの学校は子どもたちから
試行錯誤する機会を奪っている
森の中でそれぞれが思い思いにすごしていると、そこで子ども同士のかかわりが自然に生まれるし、多様性を認めようとか言葉で教えなくても、うまく折り合いをつけて楽しくすごすコツをつかんでいきます。
いま、人間関係とか学びの楽しさを知ることが困難になっているのは、そういうことに自然に触れる環境が子どもたちから取り上げられてしまったからですよね。そんなつもりはなくても、結果的に取り上げることになっちゃった。
こんな方法で子どもが賢くなったとか、こんな授業をしたら学力が上がったとか、いまはそういう情報がどんどん共有されるから、どんどん“正しい”やり方が決められていく。それがいま学校ではやっている「○○スタンダード」ですよね。子どもたちはどんどんそういうやり方に当てはめられていっている。
要するに、“ちゃんとしちゃった”ってことですよね。
小学3年生の男の子がこのまえこんなことを言ってました。「学校はやっていいと言われたこと以外やっちゃいけないからイヤだ」って。「やっちゃいけないことが多いんだもん」じゃなくて、こういう言い回しをできること自体がすごいですよね。学校を抽象化してとらえて、そこに意味がないことを見抜いている。だから行きたくないんです。
学校や社会がシステム化されて、子どもも先生もそこに過剰適応させられてしまったら、自分で考えて試行錯誤する隙間がなくなるわけだから、つまり「学び」の機会を奪われるわけだから、人間関係や学びの土台が揺らぐのは当たり前です。
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