実録!メタバースビジネスのメリットと課題 メタバースの特性を生かすサービスなのかが鍵

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<メリット>

・VRゴーグルを使用したメタバース体験は非常に先進的で、IT分野での就業を目指す受講生の就職モチベーションを上げる効果があった(「最先端の技術を体験したことで業界の将来を実感」「こういったアプリ開発に携わりたいという就業イメージが具現化」といった声が聞かれた)。

・ZOOMのようなライブチャットではコミュニケーションが一方向的になってしまうが、メタバース上では相互コミュニケーションが取りやすい。

・アバターを介したコミュニケーションなので、顔が見えないことによる心理的安全性が担保され、初対面における心理的ハードルがお互いに下がることで、話しやすくなった。

<課題>

・通信環境が悪い、もしくは使用しているPCのGPU(画像処理の性能)が低いと、画像処理が進まないことでストレスを感じたり、PCが落ちてしまう場合がある(一般的なPCスペックではメタバースの画像処理に求められるGPU性能が不足している)。

・アバターでのコミュニケーションの場合、心理的安全性は保たれるが、相手の実際の表情がわからない。ZOOMのような顔が見えるライブチャットに慣れていると、やりづらく感じてしまうときもある。

・操作に慣れず、初期設定や操作に慣れるまでの学習コストがかかる。そのため、集団型の研修では、足並みを揃えるまでに時間がかかる。

・人によっては乗り物酔いのような「VR酔い」の症状が出てしまい、体調不良になる。

現状では、「通信環境」と「デバイス慣れ」がハードルとなっており、この2つが解消されるまでは、ビジネス活用はなかなか難しいと感じた。

ただし「通信環境」に関しては、5Gが普及していけば自ずと解消されそうだ。「デバイス慣れ」に関してもVRゴーグルの普及はそこまで急速には進まないだろうが、VRゴーグルを必要としない、PCのブラウザやスマホアプリで利用できるメタバースもあるため、それらを利用することで徐々に慣れることができるだろう。

メタバースの特徴が生きる用途でなければ意味がない

メタバースをビジネス活用してみて思ったことは、「メタバースを使う目的」が重要だということだ。メタバースの特徴を生かすことができない用途だと、あまりメリットを感じられないサービスとなってしまう。

「最先端技術の体験」というメリットはあるが、それ以上に、メタバース上で実機を扱う研修、チームで課題に取り組むグループワークなど、学習効率を上げるための取り組みとして昇華していく必要がある。

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