「働いても食べられない」アメリカ人増える背景 成人の5人に1人が飢餓の経験を持つほどに

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国勢調査局のデータによれば、過去1週間に十分な食事を取れないことがあったと回答した成人は7月に2500万人に上った。パンデミックで経済が大打撃を受け、失業率が現在の2倍近くに達していた2020年のクリスマス直前以来の数字だ。

ワシントンのシンクタンク、アーバン・インスティテュートの調べによると、十分に食べられない人の数は2021年に急低下した後、今年6〜7月に2020年3〜4月と同レベルにまで悪化した。

過去30日間で十分に食べられない状況に陥ったことがあると回答した成人の割合は、およそ5人に1人。働いている成人の17.3%が十分に食べられない状況を経験したと回答し、その割合は2020年の16.3%から増加した(直近の調査には9494人が回答、誤差率は1.2%となっている)。

働いている人が支援に頼る現実

ユタのような地域にも同様のトレンドが現れていると、タビサズ・ウェイで理事を務めるウェンディ・オズボーンは話す。「職に就いていて働いているのに、(食べていくのに)十分な稼ぎが得られない人が増えている」。

タビサズ・ウェイで食料品を受け取る家族の大多数は仕事に就いており、複数の仕事を掛け持ちしているケースもあると言う。「『食料配給所に頼ることなんてなかった。私は助ける側であって、助けを必要とする側ではなかった』という言葉を多くの人たちが口にする」とオズボーン。

フードバンクや食料配給所に車が何千台と列を成す光景は、新型コロナのパンデミック初期を象徴する光景のひとつだった。当時はロックダウンが全国に広がり、景気が後退。アメリカ政府は金銭・食料面での特別な支援を国民に対して行った。個人からの寄付も相次いだ。

アーバン・インスティテュートで食料困窮問題や連邦栄養計画の研究を専門とするエレイン・ワックスマンは、「パンデミック当初には大きな慈善活動が行われていたし、政府の対応も非常に力強かった」と指摘する。

ところが、失業手当の上乗せ、現金給付、子育て世帯への税額控除といったコロナ経済対策の終了にインフレが重なったことで、問題があらためて深刻化した。そして今回は支援の必要性が再び高まる中で、寄付の縮小が続いている。

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