「体重に支配された人生」を変えたモデルの試み 元過食症のプラスサイズモデル・吉野なおさん
そうやって自分の視野を広げながら、少しずつ体型や生き方に対する価値観が変わっていきました。
過食症を克服できたことで、「同じ悩みを持つ人に、この経験を伝えたい」と考えるようになりました。
そんな時、ちょうど『la farfa(ラ・ファーファ)』(文友舎)というプラスサイズ女性のためのファッション雑誌が発売されることになり、モデルを募集していることを知ったんです。
体型にコンプレックスを持っていた頃、私にとって、ファッションは悩みの種の一つでした。雑誌に出ているのは痩せたモデルさんばかりだったので、サイズが無くて着こなしが参考にならなかったし、どこで服を買えばいいのか分からなくて。
でも、私がモデルをやることによって、かつての自分と同じような悩みを持つ読者の役に立てるかもしれない。そんな思いで、モデルに挑戦してみようと決心しました。
成功より失敗を積み重ねた方が、強い自分になれる
気付けば、モデルになってもう9年。これだけ続けてこられたのは、「失敗してもいい」「私だからこそ出来ることもある」と自分に言い聞かせていたからかもしれません。
よく、自信をつけるには「小さな成功体験を重ねなさい」という言葉を聞きますが、私はむしろいきなり成功を目指さず「小さな失敗」を重ねた方が強くなれると思っていて。
失敗したら、自分の経験になるから、どうしたらうまくいくか考えますよね。結果、自分なりのルートをつくっていくことができる。
私もモデルになった当初はファッションやメイクに詳しくなかったので、今見返すと「変だな……」と思うコーディネートもいっぱいしてきました(笑)