今後の日経平均は「大相場」「下落」のどっちだ 別な角度から見れば、一目瞭然かもしれない

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しかし、当事者台湾の代表的株価指数である加権指数指数の5日の引け値が333ポイント(2.27%)高であったことで答えは出たのではないか。

その理由は前日の4日に、アメリカの国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官が、台湾周辺で軍事演習を開始した中国との緊張の高まりを回避するため、アメリカの空軍が週内に予定していた大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ミニットマン3」の定期発射実験を延期した、と発表したためだ。

これ以上緊張が高まることは、台湾はもちろん、日本など地域全体の利益にならないとのアメリカの判断だった。中国のこれ以上の威嚇行動も止むと思われる。3期目を迎えようとしている習近平政権と、秋の中間選挙を意識したアメリカの民主党のパフォーマンスはひとまず終わった。

アメリカの景気をどう読むか?

そのアメリカだが、注目の7月の雇用統計・非農業部門雇用者数は、市場予想(25万人増)を大きく上回る前月比52万8000人増と6月の39万8000人増から伸びが加速した。

失業率も3.5%と、横ばいと見られていた6月の3.6%から低下し、約50年ぶりの低水準となった。また、平均時給の伸び率も前月比・前年比ともに市場予想を上回り、すべての数字がFRB(アメリカ連邦準備制度理事会)の金融引き締め強化に十分な数字を示した。

すでに3日、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は、「現段階では9月のFOMC(公開市場委員会)で0.5%の利上げは妥当だと考えているが、労働市場に減速する兆候が出なければ0.75%の利上げが適切な状況になる」と述べているとおり、市場には3回連続の9月0.75%説が台頭した。

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