“迷惑施設"を返上できる?小田急「踏切」に命名権 広告活用とともに「出かける目的地にしたい」

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小田急の踏切ネーミングライツ
踏切ネーミングライツで命名された小田急の「はだのモーピク踏切」(記者撮影)
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公共施設などにスポンサーの企業名や商品名をつける「ネーミングライツ」。よく知られているのは「味の素スタジアム」や「日産スタジアム」などのスポーツ施設だろう。鉄道でも、駅名に近隣の企業名や学校名をつける例が各地に広がっている。

そんな中、小田急電鉄が意外な鉄道施設にネーミングライツを導入する実証実験を行っている。その施設とは「踏切」だ。2022年3月末から、東海大学前駅(神奈川県秦野市)に隣接する「東海大学前1号踏切」に、秦野市の公式動画チャンネルの名前を冠した「はだのモーピク踏切」の愛称をつけ、QRコード付きの看板を設置した。

開かずの踏切という言葉が定着しているように、待ち時間を強いられる踏切は沿線住民にとってストレスのもと。鉄道側にとっても、列車と歩行者や自動車の接触事故などが起こりうる場所で、決して歓迎される存在ではない。命名権の導入という試みは、どんな効果を狙っているのだろうか。

ヒントはある地方鉄道

「調べた限りでは、ほかに事例はなかったです」。踏切ネーミングライツを発案した足柄電車区所属の運転士、稲木俊一さんはこう語る。

企画がスタートしたきっかけは、小田急が2021年、駅や電車などの鉄道施設を活用した地域課題解決のアイデアを、主に鉄道の現場社員を中心に社内で募集したことだ。170件の応募があり、この中から選ばれた1つが稲木さんの案だった。

踏切に命名権を導入するというアイデアそのものは稲木さん独自の発想だが、鉄道施設の活用事例という点でヒントになったのはあるローカル鉄道だった。千葉県の房総半島を走る第三セクターのいすみ鉄道だ。稲木さんは運転士として勤務するかたわら、数年前まで大学院で地方鉄道の存続が沿線にどんな影響を与える可能性があるかを研究していた。その対象がいすみ鉄道だったという。

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