筆者は無症状であったから、なおさらPCRテストの陽性には心の準備ができていなかった。しかし、考えてみれば、仮に症状が出て高熱が出たり倦怠感にさいなまれたまま、上記にリストアップしたTo Doをこなすことが、果たしてできたであろうか。
陽性になったことを友人たちに伝えると、そのこと自体に驚く人は少ない。それほどに感染経験者は街にあふれているし、「おめでとう。これで免疫ができたね。私も感染したけど、ラッキーだと思っているよ」なんていう慰めもかなり受けた。
なるほど、モノは考えようだ。しかし、これから述べる日本人である私に待ち構えている試練を知ったなら、彼らもそうのんきなことは言っていられないであろう。そう、どうやら筆者は7~10日の間、いずれかの場所で隔離を行わなければならないようなのだ。
自主隔離できるホテルは取れるのか?
この隔離は法律で定められており、それが終了して初めて抗原・PCRテストを受けることができる。10日間の隔離とはなかなか厳しいし、果たしてホテルが受け入れてくれるだろうか。不安は募るばかりだった。
結論から言うと、ホテルは問題なく隔離を受け入れてくれた。毎食、頼めば食べたいものをドアの向こうに届けてくれたし、何時間かごとに「生きてるか?」と生存確認コールまでしてくれたのだった。抗原テストのキットも買ってきてくれたし、友人たちが「さぞ暇だろう」と、分厚い本を届けてくれたりもした。
しかし、これは本当に筆者の運がよかったためだ。なにせ、そこは筆者が30年来、数カ月と置かずに訪問していた街であり、至れり尽くせりしてくれたホテルのオーナーもスタッフたちも、旧知の仲であったのだ。
ちなみに、これら隔離費用はすべて自己負担だ。もし、見知らぬ街でこのような事態になったとすれば、ホテルとの交渉も厄介だ。筆者が泊まったホテルも、そこそこの規模であるにもかかわらず、このような隔離客を泊めるのは初めてだったという。
コロナ感染が何らかの形でわかると(当地では抗原検査キットの結果を自己申告でもOK)保健所から連絡がきて、ワクチン接種回数と時期などに応じた隔離命令が下される。筆者との場合は、電子メールによるやりとりであった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら