習主席はこれまで、反腐敗運動で党幹部を悪者にして自分への求心力を高めるといった、日本のテレビ時代劇「暴れん坊将軍」に出てくる徳川吉宗のような手法で求心力を維持してきた。一種のポピュリズムによって政権基盤を作ってきたわけだが、庶民に広がるゼロコロナ政策への反感などでその効果が薄れていた。
またアメリカとの関係が過度に悪化しており、経済回復の展望も描けないことは、習政権を批判する勢力に攻撃の材料を与えていたと見られる。習主席は7月28日のバイデン大統領との電話会談で、台湾に関して問題提起するのと同時に、経済関係の重要性を説いていた。ウクライナ侵攻で国際情勢が緊張しているなかで、ある種の政治休戦を望んでいたと言えるだろう。
ペロシ議長の訪台は、その局面を一気に変えた。この10年にわたり世論を厳しく統制してきた習主席が、今回はネット世界の暴走を放置し、ナショナリズムをむしろあおっている。
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