日産が北米快調でも、中国は「危機モード」 販売は過去最高、利益は2ケタ増の見通し

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日産は中国で小型商用車を扱う唯一の外資系自動車メーカー。商用車全体の需要が6.5%減少した中で、3割近く台数を落としていることから、小型商用車の需要低迷で特に苦戦した格好だ。

昨年末のインタビューでは中国販売に対する危機感を示していた、カルロス・ゴーン社長

主戦場の小型乗用車では、現地で展開する独自ブランド「ヴェヌーシア」の低価格車を7月に発売しただけで、日産ブランドの投入はなし。また量販車種の「サニー」や「ティーダ」は、前期に比べ3~4割程度減った。いずれの車種も発売から4年近く経過し、ライバルが新車を投入する中、消費者への訴求力が弱まっているともいえる。 

シェア8%、利益8%の道のり

カルロス・ゴーン社長は2014年末、中国について「好調とはいえない1年だった。乗用車セグメントが伸びている中では、若干不運なことがあった」と釈明。さらに「中国は危機モードに入った」とも述べ、商品やディーラー網の精査など、状況把握に動いていることを強調していた。

今年は「日産」ブランドで最低3車種、高級ブランド「インフィニティ」と「ヴェヌーシア」で、それぞれ1車種の新車を投入。市場の伸びに近い、前期比6.4%増の130万台か、それ以上の販売を目指す方針だ。

日産は中期経営計画で、2016年度に世界シェア8%、営業利益率8%の目標を掲げている(今第3四半期時点ではそれぞれ、6%、5.9%)。目標達成に向けて、重要市場での取りこぼしは許されない。中国市場でもくろみどおり台数を伸ばせるか、日産の地力が問われそうだ。

「週刊東洋経済」2015年2月21日号<16日発売>「核心リポート03」を転載)

木皮 透庸 東洋経済 記者

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きがわ ゆきのぶ / Yukinobu Kigawa

1980年茨城県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。NHKなどを経て、2014年東洋経済新報社に入社。自動車業界や物流業界の担当を経て、2022年から東洋経済編集部でニュースの取材や特集の編集を担当。2024年7月から週刊東洋経済副編集長。

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