家事を忘れる夫に妻が考え出した納得の仕組み これで妻のイライラは解消、夫婦仲は良好に

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個人の責任で考えてしまうと、「家事をもっとやってよ!」「こっちだって忙しいんだよ!」と、議論が平行線になってしまうことでしょう。パートナーとは1対1の関係なので、つい自分か相手のどちらかに責任の所在を求めてしまいがちです。

ですが、どちらか一方に負担がかかりすぎたり、我慢したりしなければならなくなったりしてしまうと、持続可能な解決とはいえません。そこで「無責」の視点で考え、「家庭全体の問題」と捉えてみましょう。

・問題 お互いに仕事が忙しく、家事に割けるリソースが不足していること
・視点 忙しくて家事ができない時期は誰にでもある
・解決策 家事の量を見直したり、お掃除ロボットを導入したりと、忙しくても無理なく家庭運営できる仕組みを作ろう

「自分がやるか」「相手がやるか」の二択で役割を押し付け合うのではなく、家庭内のリソース不足が問題だと捉える。そうすることで、家事の量を減らせないか見直したり、惣菜や冷凍食品を使って負担を減らせないか検討したり、家事代行などの外注を検討したりと、新たな視点や解決策が生まれるはずです。

実は冒頭で紹介したユイさん、ケントさん夫婦も、無責的思考で解決策を導きました。

「夫が家事を忘れてしまうのは、何か事情があるかも」と思って背景を聞いてみたところ、ケントさんはタスクを口頭で依頼されると忘れやすい性格であることが判明。それ以降はLINEやSlackなどを活用して、家事を文章で依頼するようにしたところ、忘れることが減り、ケンカも減ったそうです。

ほかにも、出産により家事や育児タスクが増えたことからホワイトボードを導入してタスク管理をしている家庭や、Slackにチャンネルを作成し、買い物などのリマインドが自動で来るようにしている家庭もあります。

うまく家庭運営をしている共働き夫婦は、「無責」で問題を捉えて「仕組み」で解決する方法を見つけるのが上手です。

特性や苦手を受け入れ、仕組みで解決する

ほかにも、これまで相談を受けた方の中に、無責的思考を取り入れて課題を解決した夫婦がいました。いくつか例を見ていきましょう。

タケシさんは、妻のミサさんがいつもドアを開けっぱなしにしてしまうことにイライラしていました。ADHD(注意欠如・多動症)の特性を持つミサさんには悪気がなく、意識していてもつい開けっぱなしにしてしまいます。

そこでタケシさんは、仕組みで解決できないかと考え、部屋のドアを自動で閉めてくれる「ミニ・ドアクローザー」を購入。部屋のドアが自動で閉まるようになり、言い争いが激減したそうです。「相手も悪気があってやっているわけではない」と考え、グッズでうまく解決しました。

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