JR西日本が開拓、鉄道に続くもう1つの「高速網」 鉄道用光ファイバー活用、JR他社はどう動く?

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連結した500系と700系新幹線。鉄道も通信もネットワークと接続性が重要だ(記者撮影)

国鉄抜きに情報通信ビジネスの歴史は語れない。通信自由化により通信事業への新規参入が相次いだ1984年、国鉄も日本テレコムを設立すると、新幹線沿いに敷設された光ファイバーケーブルを活用し、企業向けの専用線サービスを1986年に開始した。さらに同年、全国の鉄道業務用電話網を活用する鉄道通信という会社も設立した。

1987年に国鉄が分割民営化されると、2つの電気通信事業会社はJR旅客6社、JR貨物、JR総研などとともに国鉄から分割された。両者は合併して新たに「日本テレコム」として発足。この会社が後のソフトバンクにつながる。

JRの光ファイバーに再び注目

歴史は繰り返す。JR各社の持つ光ファイバー網が情報通信ビジネスで今また注目を集めている。

クラウド、IoT。インターネット技術の進展でデータ流通量が急速に増えている。サーバーやデータ通信などの装置を設置・運用することに特化したデータセンター(DC)が各地で続々と誕生するとともに、大容量の情報を高速で伝達できる光ファイバー網の需要も高まっている。

そんな状況の中、JR西日本は新会社の「JR西日本光ネットワーク」(JRWON)を2021年7月に設立し、情報通信事業に乗り出した。JR西日本は列車運行制御や運行情報の伝達など鉄道事業に使う光ファイバーケーブルを新大阪と博多を結ぶ山陽新幹線区間および近畿エリアや山陽本線などの在来線区間に張りめぐらせている。ケーブルの中には数十本の光ファイバー芯線が入っている。その1本1本は非常に細いにもかかわらず、高速・大容量のデータ通信が可能だ。JRWONはその空き芯線を外部の事業者に貸し出す。

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