北陸新幹線「かがやき素通り」小規模駅の生きる道 開業7年の沿線関係者「2年後延伸」の敦賀も連携

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黒部宇奈月温泉駅のある富山県黒部市は北陸新幹線開業で観光や通学の人の流れが変わった=2017年10月(筆者撮影)
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北陸新幹線・長野-金沢間は3月14日、開業7年を迎えた。コロナ禍の中とあって、沿線では記念イベントなどの企画はほとんどなかったようだが、その間隙を縫うように、県境を越えたネットワーク「北陸新幹線沿線連絡会議」が始動、記念フォーラムを開催した。

「コンテナ商店街」の経営者と大学研究者が共同代表を務める。キーワードは「沿線集合知」、そして「自分ごと」。北陸新幹線延伸が2年後に迫った敦賀市とも手を携え、従来の開業対策とはひと味違った地域づくりの模索と実践がスタートした。

「敦賀開業あと2年」のタイミング

北陸新幹線沿線連絡会議は3月1日、3人のメンバーで発足した。上越妙高駅前でコンテナ商店街「フルサット」を経営する株式会社北信越地域資源研究所の平原匡代表取締役と、富山国際大学現代社会学部の大谷友男准教授が共同代表に就任した。筆者は発足と同時に「会員第一号」となった。

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なぜ、このタイミングで立ち上げたのか。「開業7年の振り返りをしなければ、と。何より、敦賀開業まであと2年。ここで行動を起こすべきだと考えた」と平原氏。福岡市のシンクタンク・九州経済調査協会で各地の新幹線を研究してきた大谷氏が、2021年春に富山国際大学へ着任したことも、大きな契機になった。

もともと東北・盛岡以北、北海道、北陸、九州の各整備新幹線は、開業対策が「道・県」を単位に動いてきた。建設促進運動や予算獲得の陳情は関係する都道府県が顔を連ねるが、開業以降の誘客やまちづくりは、多くの場合、道・県、さらには沿線の都市がそれぞれ個別に展開する事例が多かった。

加えて、ほとんどの場合、開業そのものがイベント化する宿命にある。開業から3年も経てば、行政や経済界の開業対策組織も予算もなくなり、良きにつけ悪しきにつけ、新幹線は日常に溶け込んで、「あって当たり前」の存在になりがちだ。経験的に言えば、新幹線が実際に地域を大きく変え始めるのは2年目以降なのだが、そのころには検証の機運も薄れているまちが珍しくない。

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