低予算「ミニオンズ」を大ヒットさせた大物の正体 任天堂とタッグ、「マリオ」の映画も制作予定
メレダンドリは、ニューヨーク生まれ。『フットルース』でエグゼクティブ・プロデューサーのアシスタントを務めて業界入りし、1993年の『クール・ランニング』のプロデューサーを経て20世紀フォックスに入社した。
だが、彼が制作を手がけたアニメーション映画『タイタンA.E.』(2000)は、大型予算を組んだにもかかわらず大失敗。痛い思いをさせられるも、挽回のチャンスはすぐにやってくる。
フォックスが買収したブルー・スカイ・スタジオのトップを任されると、メレダンドリは、『アイス・エイジ』(2002)をはじめとする数々の映画を成功させていったのだ。
これまでに5本作られた『アイス・エイジ』は全世界で32億ドル以上を売り上げた、最も高い人気を持つアニメーションシリーズのひとつである。『アイス・エイジ』1作目の制作費は6500万ドル、世界興収は3億8600万ドル。コストを抑えつつ、人々が喜ぶものを作るというメレダンドリの手法は、ここから始まったのだ。
マネジメント層を極力減らす組織作り
そして2007年、彼は20世紀フォックス・アニメーションのプレジデントを辞任し、イルミネーション・エンタテインメントを立ち上げる。アニメーションで後れを取っていたユニバーサルとの共同創設で、制作費はユニバーサルが出し、作品もユニバーサルが所有するが、メレダンドリには興行収入の一部が支払われるという契約だ。そこから生み出された第1弾が、『怪盗グルーの月泥棒』である。
イルミネーション・エンタテインメントはこれまでに『怪盗グルーの月泥棒』の続編2本、スピンオフである『ミニオンズ』のほか、『ロラックスおじさんの秘密の種』『ペット』『SING/シング』などを制作してきた。
『SING/シング』(2016)と『ペット』(2016)の制作費はいずれも7500万ドルで、世界興収はそれぞれ6億3400万ドルと8億7500万ドル。制作費を抑えて良い映画を作るコツは「マネジメントの層を極力減らし、明確な決断をして、制作にかける時間を減らす」ことだと、メレダンドリは2011年、『ニューヨーク・タイムズ』に語っている。
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