ワシントンが高く評価する安倍元首相の経済外交 アジア太平洋でのビジョンとリーダーシップ
バイデン大統領は国外の出来事であるにもかかわらず、喪に服して連邦政府や軍施設に7月10日まで半旗を掲げるよう、異例の指示を出した。安倍政権が築き上げた強固な日米関係はバイデン政権下でも受け継がれている。
アメリカ不在で空白が生じていたアジア経済圏で、安倍氏は戦後の世界の安定と繁栄をもたらした欧米主導のルールに基づく国際秩序を堅持するといったビジョンを掲げ、台頭する中国を牽制した。内政事情からも経済外交で身動きが取りづらいアメリカにとって、日本はアジアで極めて重要なパートナーだ。
死後も生き続ける安倍氏のビジョン
アベノミクスの成果について評価は分かれるが、「Japan is Back」演説での公約どおり安倍氏はワシントンをはじめ世界における日本の存在感を再び高めた。域内そして国際的にリーダーシップを取る日本について、二級国家に落ちぶれるリスクを懸念する声はワシントンからも消えた。
アントニー・ブリンケン国務長官は、安倍氏の訃報に接し、「安倍氏は偉大なビジョンを持った指導者」と語った。中国やロシアなどによってリベラルな国際秩序が脅かされる今日、安倍氏は貴重な存在であったことがアメリカでも改めて認識されている。ジョン・ボルトン元大統領補佐官(国家安全保障担当)は、「安倍晋三の死はアメリカと同盟国にとって損失」と題する記事をワシントンポスト紙に寄稿した。だが、安倍氏が礎を築き上げた日本主導の域内経済外交のビジョンは、同氏の死後も生き続けるだろう。
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