福岡の17歳が撮った映画に上映依頼が殺到の訳 起立性調節障害の女子校生が自身の半生を撮る
翌4月には、福岡の映画館で上映イベントを実現するため、クラウドファンディングで支援を募った。病気に関する理解を広めたいという思いに、全国の372名から352万円が寄せられた。高校3年生になった西山さんたちは休む間もなく、今度はイベントの準備をする怒涛の日々が始まった。
「お金がない状態で映画館を仮予約しちゃって、クラウドファンディングをしたら352万円もの大金が集まり、うれしい反面かなり焦りました。実は編集作業が2分しかできていない段階だったので。3カ月後の上映に向けて、人生で一番プレッシャーを感じて、作品が完成したのは上映の3日前でした」(西山さん)
映画ワールドカップの最優秀作品賞に
7月3日、念願の上映イベントでは、2日間で2000名の観客に作品を届けた。「ようやく上映できて、お客さんの表情や涙を直接見ることができました。私たちの思いが伝わっていると感じる感想もたくさんいただき感無量で、皆さんに感謝しかありませんでした」(西山さん)
さらに12月、当初目標として掲げていた映画ワールドカップの最終選考へ。見事、最優秀作品賞を受賞して日本一になり、8部門で10の賞に輝くという快挙を成し遂げた。
「上映会でお客さんに直接届けることができて、皆さんから大切なものをいただいたので、すでに満足していました。だから、正直なところ私の中では評価にこだわる気持ちは薄れていたのですが、日本一になるという企画書によって協力してくれた人がたくさんいたので、恩返しとして1位になりたいという思いはありました。無事に日本一になることができて、すごくホッとしました」(西山さん)
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