岸田首相はアベノミクスを本当に継承するのか 日本株は参議院選挙後も上昇を続けられるのか
問題は、参院選の結果を受けて、岸田文雄首相がどう動くかである。
参院選後の岸田政権の出方に注目
岸田政権は、今のところ、今後も「アベノミクス路線」を引き続くとみられている。だが、政権発足当初は「分配」や増税路線を彷彿させる言葉を多用、株式市場には「岸田ショック」が起きたのはまだ記憶に新しい。
その後は「『経済成長』を強調したことで市場の評価は修正に向かっているものの、もし参院選で大勝するようなことがあれば、再び成長路線を修正する可能性がある」(中堅証券ストラテジスト)と警戒する向きも根強い。
実際、岸田首相が現在打ち出している「資産所得倍増計画」は、響きだけはよく、「NISA(少額投資非課税制度)」や「つみたてNISA」の利用可能枠を増額することなどで実現を狙っているようだが、「倍増」への確かなロードマップがあるわけではない。選挙後に本当に肉付けがなされるかどうか、現時点では心許ないのが実情だ。
しかも、安倍政権が任命し、実質的なアベノミクスの推進役を果たしてきた日本銀行の黒田東彦総裁の任期は来年4月8日まで。黒田氏の後任人事は、まさに参院選後に本格化する。
1990年代までは慣例化していた「財務省(旧大蔵省)と日銀出身者が交互に日銀総裁に就任する」という「たすきがけ人事」が復活するなら、次は日銀の雨宮正佳・副総裁か、中曽宏・大和総研理事長(前・日銀副総裁)などが有力視される。
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