試乗ルートは神奈川県某所のトラックステーションから、東名高速道路、新東名高速道路を経由して、静岡県内のSAまで160kmほど。ルートのほぼ90%が大型トラックの活躍する主戦場の高速道路だった。
試乗グレードは「グローブトロッター」を名乗る上級仕様だ。
早速、乗り込む。前述のとおりキャビン位置が高いため慎重に乗降ステップをのぼり、ガイドバーをつたって運転席へと収まる。インテリアはブラックとグレー、そしてシルバーのトリムで要所を覆い、上質な雰囲気を醸し出していた。
長距離ドライブに備えてベッドスペースを確保
とはいえ、働く車であることから過度な演出はない。陸続きの欧州では一度、運送業務に出ると数カ月もの間、キャビンで寝泊まりすることがある。そのためシート後部には幅815mm、長さ2000mmのベッドスペースが備わっている。
また、このグローブトロッターは室内高が1960mmあるため立派な体躯のドライバーでも立ったまま車内移動が可能で、着替えもしやすい。ここはキャビン高がたっぷりとられた欧州トラックならではの利点だ。
2トーンレザーシートは大ぶりで細かな調整機構が付く。加えて、ステアリングも細かく位置調整ができるので、身長を問わず適正なドライビングポジションがとれる。
そのステアリングには左右対称にスイッチを配置した。数は多いがボタンサイズは機能ごとに分けられているので使いやすい。エアコンやオーディオ、車両制御のスイッチが並ぶセンターのインストゥルメントパネル(インパネ)はドライバーに向けて角度がつけられた。角度つきインパネは国産各車も採用するが、FHではさらに大きな角度がつけられた。よって、腕を伸ばした左手とスイッチ位置が重なる(最適値の650mm以内にある)ため、運転中のブラインドタッチがやりやすかった。
インパネ上部には9インチのタッチ式液晶カラーモニターが備わる。ここには車両制御画面のほか、外部カメラの映像、さらにはエアコンやオーディオの情報が大きく映し出される。
トラックステーションから右に左へと大きくステアリングを切り込みながらスタートする。ホイールベースは7070mm(5700mm+1370mm)と大型トラックとしては標準的なので、取り回しは良好だった。
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