「飲酒操縦対策」航空業界の厳しさを知ってますか 飲酒の適量とは?ストレス解消法も知っておこう

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また「飲酒Jカーブ」といって高血圧や脳出血などの疾患は、お酒を飲まない人よりも少量飲む人のほうが発生リスクが少ないというデータも学会などで報告されている。

タニタのアルコール検知器 アルブロ FC-1500はアルコール以外のガスに反応しにくい燃料電池式センサーを採用した(画像:タニタ)

では、この適正飲酒/適量とは何か。厚生労働省の指標では「節度ある適度な飲酒は1日平均純アルコールで20g程度の飲酒」とある。純アルコール20gとは、「ビール中ビン1本」「日本酒1合」「チューハイ(アルコール含有率7%)350mL缶1本」「ウィスキーダブル1杯」などに相当する。

もっとも、アルコールの分解能力は人により大きな差があり、また体調にも左右されるが、同じアルコール量でもゆっくり飲む、または水で割るなど濃度を薄めれば、酔いを左右する血中アルコール濃度が急激には上がらない(最大値は当然同じ)。また、食事をしながらの飲酒も濃度上昇が緩やかだ。

アルコール依存症の怖さ

しかしながら、こうした適正飲酒/適量を守れない状態が続き、大量の飲酒が長期間続くと精神疾患を引き起こす。その代表が「アルコール依存症」だ。

アルコール依存症では、アルコールが肝臓で分解され体内から抜けていくと、怒りやすくなったり神経質になったりする。また、手の震えや不眠、頭痛などいわゆる離脱症状(依存症の一種)に悩まされる。アルコール依存症は日常のストレスが発生要因のひとつとされることから、ストレス解消方法をなるべくたくさん知っておくことが、結果的に飲酒運転を遠ざけることにもつながる。

厚生労働省では、ストレスがたまってくると「心理的、身体的、行動的」の3つの領域で弊害がみられると警鐘を鳴らす。心理的は、意欲の低下やイライラ。身体的は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、下痢、便秘、肥満。行動的は、作業効率の低下や業務上の事故、過食、そしてアルコール依存だ。

アルコール消費と生活習慣病の関係性。心疾患や脳梗塞などは少量摂取したほうが発生リスクが少ない(出所:厚生労働省)

こうしたことから誰もがストレスと無縁の世界に身を置きたいと考えるが、残念ながらそれは難しい。ただし、ストレスを過度にため込まない方法がある。国では、「ストレスはうまく付きあうもの」と捉え、自分にあったストレス対処法を見つけ継続することが重要だと示す。

座ったままで実践できるストレッチなどはその一例だ。実際、デスクワークが長時間に及ぶ筆者も適宜ストレッチを行っているが、確かに一時的なリフレッシュにはなる。が、抜本的なストレス解消法にはなっていない……。

これまで3回にわたって飲酒運転について考えてきた。適正/適量飲酒は悪じゃない。ただ、適正/適量であっても飲酒運転が事故につながることがご理解いただけたと思う。

夏から秋にかけて、長距離ドライブをしたり、仲間と飲酒したりする機会は増えると思うが、適正/適量飲酒であっても飲酒運転は絶対ダメである。このことを読者の皆さんと共に周知し続けていきたい。

西村 直人 交通コメンテーター

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にしむら なおと / Naoto Nishimura

1972年1月東京都生まれ。WRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員。(協)日本イラストレーション協会(JILLA)監事。★Facebook「交通コメンテーター西村直人の日々

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