紫外線による身体への「深刻な影響とその予防法」 正しいケアを身につけて「日焼けとシミ」を防ぐ

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メラニン色素は紫外線をよく吸収するため、次なる紫外線に備えた身体の防御機構とも言えます。通常は数週間から数カ月かけて肌の表面に垢の一部として排出されて元の肌色に戻りますが、紫外線を長期間浴びることで過剰にメラニン色素が作られ続けたり、加齢等で皮膚のターンオーバー(代謝)が落ちてしまうことで排出ができなくなったりすると、黒いメラニン色素が皮膚にどんどん蓄積してしまいます。その結果がいわゆる「シミ」と呼ばれるものです。

シミは皮膚科でのレーザー治療を行うことや、生活習慣を整えて皮膚の代謝を促進しゆっくりと薄くすることも可能ですが、どちらも手間と時間がかかるためシミを作らないように紫外線を避けることが大切です。

「SPF」と「PA」の違い

UVカットの帽子や日傘、スカーフやアームカバーを使うほか、日焼け止め(サンスクリーン剤)を肌の露出があるところにしっかり塗りましょう。日焼け止めにはよく「SPF50 PA+++」というような表記がされており、SPFはUVBに、PAはUVAに対する防御効果を表しています。どちらも値が大きいほうが防御効果も高いですが、その分肌へのダメージが大きいため、1日中炎天下で外出する際は数値の高いもの、洗濯物を干すだけであれば数値を抑えたものを使うといったような、日焼け止めの使い分けが大切です。塗るタイミングは外出前のほか、汗をかいたらこまめに塗り直しましょう。近年は化粧品の成分にもUVカット効果のあるものが多く販売されていますが、化粧下地と日焼け止めの重ね塗りも効果的です。一緒に塗る場合はメイクの前に日焼け止めを薄く塗りましょう。

それでも日焼けをした場合は、いわゆる火傷と同様に日焼けした部分を冷やすことが効果的です。皮膚の炎症を速やかに鎮めることで、メラニン色素の生成を抑えることができます。

なお、日焼け止めは夏の晴れた日に塗るイメージがありますが冬でもUVAは夏の半分程度の紫外線量があり、また春先から紫外線量は一気に増加します。したがって可能であれば1年を通して日焼け対策を行いましょう。スキンケアを毎朝されている方は、そこに日焼け止めを塗るステップをひとつ、追加できれば習慣になりやすいです。

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