日本人は、まだ「豪華客船」の楽しさを知らない

世界大手が、日本市場開拓に注力

プリンセス・クルーズでアジア地区シニア・ヴァイス・プレジデントを務めるアンソニー・H・カウフマン氏(写真:)

同社が日本発着便に参入したのは2013年のこと。「米国や欧州などで日本人のお客様が利用しており、その評価が非常に高かったのです。『ぜひ日本発着のクルーズを提供してほしい』という、要望があったため、テスト的に『サンプリンセス』を投入したのです」(アジア地区シニア・ヴァイス・プレジデントのアンソニー・H・カウフマン氏)。

「サンプリンセス」(定員1989名)は、同社が有する船のなかでも中型クラスにあたる。この船で、日本食メニュー、日本語の話せるスタッフ、日本語で楽しめる娯楽といった日本人向けのサービスを初めて提供した。

その翌年には大型の「ダイヤモンド・プリンセス」(定員2670名)を投入していることからもわかるように、同社の日本でのテスト的な参入は成功だったわけだ。評価のポイントとなったのは、サービスの質の高さや日本語が通じる点、さらに、日本のクルーズ会社が提供するクルーズに比べ、値ごろ感があったことだという。

クルーズは「お手頃なぜいたく」

「クルージング=お金持ちのぜいたく」というイメージを持つ人が多いと思うが、よくよく考えてみれば、クルーズは非常にお得な旅行だといえる。宿泊料、交通費、船内の食事代はあらかじめ含まれているわけだし、いちいち荷物をほどいたり、パッキングしたりという手間や、さまざまな交通機関を手配するわずらわしさがない。寝ている間や食事中に次の寄港地に移動するわけだから、うまく設計された旅程であれば、時間も効率的に使える。特に、自分で移動する必要がないという点は、小さな子ども連れや、年配の方にはありがたいメリットだろう。

さらに、プールで泳ぎながら海上の眺めを楽しめる、ドレスアップしてのディナーやカジノを体験できる、などエンターテインメント的な要素もたっぷり味わえる。

「世界のクルージング人口は約2000万人。そのうちの1000万人がアメリカ人です。そのほか、イギリス・オーストラリア人が多い。日本人は23万8000人と非常に少ないのですが、だからこそポテンシャルは高いと考えています。プリンセス・クルーズは商品価値が高く、知っていただければ必ずたくさんの方に利用いただけるという自負があります。ですから、いかに早くクルージングという文化を浸透させるかが私の課題だと考えています」(同)。

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