プロ投資家が不動産より「株式投資」を選ぶ理由 適正なリスクを取らずに生きていくのは不可能

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そして、きちんと勉強をしたうえで、株式投資で資産形成をすることは、「適正なリスクを取ること」にほかなりません。「適正なリスクを取ること」は、「リターンの種」です。「無謀なリスクを取ること」は、「リスク発現の素」です。それを区別しなければなりません。

これからの日本では、国民年金があてになりません。企業年金もあてになりません。そういった21世紀の日本においては、認知症になって投資判断が難しくなるまでは、適正なリスクを取って「投資をすること」は必須なのです。

「老後になったら、財産をリスク(危険)にさらすのはよくないので、株式投資はやめなさい」という言説をよく耳にしますが、まったくの「甘ちゃん」です。先ほども書いたように、リスクをまったく取らないことは、リスクそのものなのです。そして、きちんと勉強すれば、リスクは低減させられるのです。

貯金だけで暮らす発想は「20世紀の遺物」

貯金を取り崩すだけの老後なんて、不安でしかないですし、そんなものは「20世紀の遺物」です。たとえ「1億円」の現金があっても、毎年300万円ずつ下ろしていったら満34年を迎える前に枯渇します。

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65歳の人なら98歳まではもつわけですが、インフレには対抗できません。日本はこれまで、少なくとも1991年から2003年までの13年間はデフレ経済でしたが、それだけのデフレ期を含めてさえも34年前(1988年)と比べたら、いろいろなものの値段は2倍くらいにはなっています。つまり、34年後の300万円の購買力は、現在の2分の1かそれ以下になっている可能性が極めて高いのです。

ということは、貯金を取り崩すだけの老後なんて、「ジリ貧」でしかないのです。

もう、好き嫌いの問題ではないのです。21世紀は、「自己責任にもとづく投資」が必須アイテムなのです。

「イヤじゃない仕事」に就いて、その仕事を60歳前後まで続けて、その期間にまとまった資産を形成するのです。それは「労働所得の少なくとも1割」を元手にした株式投資による資産形成です。それを長い時間をかけて実践し、株式投資のスキルを熟練するのです。

榊原 正幸 マネー評論家

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さかきばら まさゆき / Masayuki Sakakibara

名古屋大学経済学部、大学院経済学研究科を経て、同大学経済学部助手。1993年、日本学術振興会特別研究員となり、その後、英国レディング大学に入学。帰国後の1997年より東北大学経済学部助教授。2000年、日税研究賞を受賞。2001年、英国レディング大学大学院より博士号を授与される。同年、税理士資格を取得。2003年、東北大学大学院経済学研究科教授。2004年4月、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授。2021年3月に退任し、東京を拠点にしてファイナンシャル教育の普及活動を続けている。会計学博士。『株式投資「必勝ゼミ」』『現役大学教授が教える「お金の増やし方」の教科書』など著書多数。

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