災害時の命の綱「非常食」を製造する企業の凄さ 身近なあの企業の製品が災害時に私たちを救う

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非常食を製造する企業は、災害時に私たちを助けてくれる存在だ(写真:zepp1969/Getty Images Plus)
昨今の異常気象や「首都直下地震」「南海トラフ巨大地震」といった地震の懸念を考えると、防災体制の整備が重要であることは言うまでもない。
防災と言えば建設・土木工事関連の企業が思い浮かぶが、大切なのはそうした企業だけではない。非常食の重要性を忘れてはいないだろうか。いざ災害が起きた場合、避難所にいる間は非常食を食べざるをえない。救助・復旧作業に携わる人たちも非常食を必要とする。
非常食に関連した企業について東洋経済新報社・田宮寛之記者の新刊『2027 日本を変えるすごい会社』から一部を抜粋・再構成してお届けする。

賞味期間2年のパンを作る会社

被災者の食事の確保に貢献するのが愛知県に本社を置くコモ(2224)だ。イタリアの天然酵母パネトーネ種を活用して、保存料無添加・賞味期限35日~2年というパンを製造している。コモという社名はパネトーネ種が採取されるイタリアのコモ湖に由来する。

同社ではパネトーネ種を北イタリアから空輸し、徹底した温度管理のもとで使用する。パンを焼く機械もイタリア製であり、品質へのこだわりは強い。

販売ルートはスーパー、生協、鉄道売店などさまざまだが、賞味期限が長いことから自動販売機での販売が多いことが特徴。全売上高の約4分の1が自動販売機向けだ。最近では、ネット通販を強化している。同社はコンビニのPB商品の製造も請け負っており、技術力には定評がある。

国内では食品ロス削減推進法が2019年に施行されたことで賞味期間の長いパンの需要が拡大する。さらに今後は香港、シンガポール、ニュージーランド、オーストラリアなどで拡販を狙う。賞味期限が長いので、日本から輸出しても採算が合う。

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