災害時の命の綱「非常食」を製造する企業の凄さ 身近なあの企業の製品が災害時に私たちを救う

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1937年から陸軍へ乾パンや野戦食の納入を開始した。現在扱っている製品はキャンディー、チョコレート、米菓、スナック、チューインガム、飲料など多岐にわたる。2019年からは防災用のミネラルウォーターの販売も開始した。

そのほか乾パンではないが、似たものとして江崎グリコ(2206)が賞味期限5年の缶入りビスコを販売している。ビスコは1933年発売のロングセラー食品で、子どもから老人まで幅広い層に支持されている。

非常食で甘味のあるモノは少ないのでビスコは貴重な存在だ。災害が起こった場合、物資の配給や救助活動が滞り、数日間は非常食などを食べるしかない。大人ならば対応できるが、子どもは普段と異なる食べ物を食べられないことがある。ビスコのように普段から親しんでいる甘い食べ物を防災用に備蓄しておくことは重要だ。

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ビスコはクリームを挟んでいるので口溶けがよく、水がなくても比較的食べやすいので、防災備蓄食品として優れている。ある幼稚園では入園時に親が缶入りビスコを購入。幼稚園がそれを保管し、何事もなければ卒園式で子どもたちにビスコ缶を渡している。

ちなみにパッケージ裏には災害伝言ダイヤルも記載されているので万が一の場合も安心だ。

キャラメルコーンで有名な東ハト(非上場)は5年間保存可能なビスケット「ハーベスト」を製造販売している。ハーベストは1978年に発売された薄焼きビスケットであり、同社の人気消品の1つだ。密閉性の高い缶に「脱酸素剤」を入れることで酸化を防ぎ、ゴマの味わいと香ばしさを保ちながら、5年間の長期保存が可能になった。

東ハトは山崎製パン(2212)の子会社で、キャラメルコーンやハーベストのほかにオールレーズンや暴君ハバネロなどのロングセラーを抱える。

田宮 寛之 経済ジャーナリスト、東洋経済新報社記者・編集委員

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たみや ひろゆき / Hiroyuki Tamiya

明治大学講師(学部間共通総合講座)、拓殖大学客員教授(商学部・政経学部)。東京都出身。明治大学経営学部卒業後、日経ラジオ社、米国ウィスコンシン州ワパン高校教員を経て1993年東洋経済新報社に入社。企業情報部や金融証券部、名古屋支社で記者として活動した後、『週刊東洋経済』編集部デスクに。2007年、株式雑誌『オール投資』編集長就任。2009年就職・採用・人事情報を配信する「東洋経済HRオンライン」を立ち上げ編集長となる。取材してきた業界は自動車、生保、損保、証券、食品、住宅、百貨店、スーパー、コンビニエンスストア、外食、化学など。2014年「就職四季報プラスワン」編集長を兼務。2016年から現職

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