小田急ロマンスカーMSE「青」で打ち出した新機軸 地下鉄・JR線へ直通、才色兼備でマルチに活躍

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運転区間が多岐にわたるため、これまでに名乗った列車名もバラエティーに富む。現在は「はこね」「さがみ」「えのしま」「ホームウェイ」のほか、地下鉄直通特急として「メトロはこね」「メトロえのしま」「メトロモーニングウェイ」「メトロホームウェイ」がある。かつては有楽町線新木場に乗り入れる「ベイリゾート」のほか、臨時特急で「メトロ湘南マリン号」「メトロあさぎり号」が運行されたこともあった。貸し切りの団体列車で「〇〇幼稚園号」などの名称が付くこともある。

フェルメール・ブルーの意味

外観カラーに鮮やかなメタリックの青を採用したのには意味がある。

流線形デザインの先頭部には非常口。普段見られないプラグドアを開けた状態(写真:小田急電鉄)

小田急の設計担当者らが著した『詳細図鑑 小田急ロマンスカーの車両技術』(オーム社)は「地下鉄線内で美しく見える色彩であるとともに、地下では見ることができない『空』をモチーフにした」と解説する。さらに「この大胆な色彩は、当時設計陣も実物を見るまでは実感が湧かず、初号機の製造で実物を見た豊川の日本車両設計陣から感嘆の電話が入った」とのエピソードを紹介している。

地下鉄乗り入れ対応のため、連接台車ではなくボギー車で、流線形の先頭部には非常口となるプラグドアが設けられている。展望席の設定はないが、流線形のほうの車両の最前列からは運転席越しに前面展望が望める。乗り入れ先それぞれの車両限界に揃えたため車体幅はやや小ぶりだが、車内はドーム状の天井で圧迫感の少ない空間にした。ワインレッドのカーペットと、木目調の壁や座席背面が落ち着いた印象を与える。

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