年後半のアメリカ景気、インフレ、円安はどうなる みずほ証券・大橋英敏氏に金融市場見通しを聞く

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――3月以降はドル円が1㌦=115円から135円へ急激に進み、日本国内では円安が問題となりました。

日本が衰退しているのは否定しない。だからこれまでも、投資家はドルをある程度持っていたほうがいいということは言ってきた。ゆるやかに円の実質実効為替レートが下がってきているのもそういうことだ。しかし、衰退は10年、20年かけての話で、ここへ来て急に進んだ円安の原因を日本の国力低下や日本銀行のこれまでの金融緩和策のせい、というのは的を射ていないと思っている。

足元で進んだ円安の背景は、アメリカの急激な利上げによる日米金利差拡大に加え、資源国通貨が対アメリカドルでも買われる中で円が売りやすかったこと、エネルギー高を背景にした日本の貿易赤字とそれを補うはずのインバウンド(訪日外国人観光客)の不足、急激な円安進展で輸入企業が為替予約解消を進めたことなどが、複合的に重なったことだ。つまり、円買いフローの減少とアメリカドル買いフローの増加が一時的かつ重層的に生じたことによる、10年に一度の大相場だったとみている。

アメリカの景気後退で一気に円高に振れるリスクも

――中長期のドル円の相場観は?

中長期で見れば1㌦=130 円台は円を過小評価しており、景気後退を受けてアメリカの金利に中期的な下落期待が高まれば、ドル円は一気に120 円前後の円高ドル安になる可能性がある。アメリカの景気後退を展望する中ではどこかで為替のトレンドが変わるので、これに注目している。

今は、日米金利差が1%動くとドル円が12円ぐらい動く感じなので、仮に政策金利が3.5%になった後、潜在成長率相当の2.5%に落ちるとすると、123円まで戻すことになる。ただ、相場なので、当然行きすぎはあって、110円台は十分ありうる。

――かつての円高のように1㌦=100円割れになることはない?

今のままだとないだろう。アメリカという国がもっと弱くなるといった構造変化がなければ起きにくい。

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