政府系発行体、地方自治体、メガバンクグループの格付け見通し《ムーディーズの業界分析》
日本の13の政府系発行体の格付け見通しを「ネガティブ」に変更
コーポレート・ファイナンス・グループ
主任格付アナリスト/VPシニア・アナリスト
岡本 賢治
主任格付アナリスト/VPシニア・アナリスト
岡本 賢治
2011年2月22日、ムーディーズは、日本の13の政府系発行体の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。13の政府系発行体は、以下のとおり。
(1)日本高速道路保有・債務返済機構
(2)東日本高速道路株式会社
(3)中日本高速道路株式会社
(4)西日本高速道路株式会社
(5)首都高速道路株式会社
(6)都市再生機構
(7)鉄道建設・運輸施設整備支援機構
(8)関西国際空港株式会社
(9)株式会社日本政策金融公庫
(10)地方公共団体金融機構
(11)住宅金融支援機構
(12)株式会社日本政策投資銀行(DBJ)
(13)株式会社商工組合中央金庫(SCB)
格付け理由
今回の13の政府系発行体の格付け見通しの変更は、日本政府の自国通貨建て・外貨建て債務格付けの見通しが安定的からネガティブに変更されたことに基づくものである。これらの政府系発行体の格付けは、現在Aa2となっている日本政府の債務格付けによって制約を受けている。
政府との結び付きが強く、重要性の高い政策を実行するという点において、信用分析上は政府と同等と見なすべきであると見られる11の政府系発行体(13の政府系発行体のうち、DBJとSCBを除く)には、ムーディーズはベースライン信用リスク評価(BCA)を付与していない。
DBJのBCAである7(1から21までの数値で評価。1が最も信用リスクが低い)とSCBの銀行財務格付けDは、今回の格付け見通し変更による影響は受けない。
これら13の政府系発行体については、政府が支援を提供する可能性ならびにデフォルトの相互連関性とも極めて高く、最終格付けは日本政府の格付けと一致する。
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