「飲み会来ない若手」嘆く上司は仕事ができない訳 悪ガキの「人を動かすテク」は仕事にも使える

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こういう組織で、役職の上下を唯一のよりどころにして、「あれをやれ」「これをやれ」と命令をしても、彼らは言うとおりに動いてはくれません。

そのため、リーダーには「権威なき影響力」が必要となります。ビジョンを語り、希望を説く。メンバーに対しては、褒めたり、賺したり、「口八丁手八丁」を駆使して、動かさなくてはいけないのです。

「悪ガキ流」の人心掌握術

では、具体的にどうすれば、欲しい人材を社内リクルートできるのでしょうか。さまざまな「手口」がありますが、ここではひとつ、「王道」というべき手法を紹介します。

それは、1人ひとりの「キャリア目標」を理解し、口説くときに利用するということです。

「悪ガキ」的リーダーが、ことあるごとに周囲に聞く質問があります。それが、「きみは将来何をしたい?」「きみのキャリア・アスピレーションについて聞かせてくれないか」です。

対面ミーティングや食事、あるいは取引先からの帰り道――シチュエーションはどんなものでもかまいません。答えやすい雰囲気をつくって質問し、その答えをきっちりメモしておいて、プロジェクトに引き込むときに利用するのです。

将来は海外で活躍したいという人には、「このプロジェクトを通じてグローバルな視点が学べる」と口説きます。まだ部下が1人もいないことを気にしている若手には、「このプロジェクトでは何人かのメンバーをとりまとめてもらうかもしれない。もちろん彼らは部下ではないが、人をマネジメントするコツは学べる」と誘いかけるのです。

人は、自分が話したことを覚えていてくれる人に好意を向ける傾向があります。こう口説かれたメンバーは、あなたのことを嫌いにはなりません。「私のことを真剣に考えてくれている上司だ」と思ってくれるかもしれません。

そういう上司の誘いが自分の「キャリア目標」に合致するのですから、誘いを受け入れてくれる可能性が非常に高まる、というわけです。

もちろん、こんなことを意識しなくても部下のことを気にかけ、部下の言ったことは自然と覚えている、という上司もいます。そういう人は、きっと自然体で部下に慕われているでしょう。

ただ、そうでない人でも「慕われる上司」を装うことはできます。そういうことを平気でできるのが、「悪ガキ」的リーダーの特徴の1つなのです。

(構成:小関敦之)

妹尾 輝男 ヘッドハンター、コーン・フェリー元日本代表

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せのお てるお / Teruo Senoo

1975年、横浜国立大学卒業。ロンドン、バミューダ諸島、東京にて石油製品トレーディング会社に勤務した後、1988年、スタンフォード大学で経営学修士(MBA)取得。ベイン・アンド・カンパニーを経て、世界最大の人材組織コンサルティング会社コーン・フェリーに入社。

同グループで30年以上、主にグローバル・トップ企業のエグゼクティブ・クラスを対象に、ヘッドハンターとして第一線で活躍。その間、日本法人社長を9年間、会長を1年間務め、現在は特別顧問。ヘッドハントしたエグゼクティブの数は400人を超える。

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