50歳から「求められる人」にあるスキル以外の資質 「あなただからお願いしたい」と言われるには

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後から60歳で入ってきたスタッフは未経験ながらも、新郎新婦に対してはお母さん、ご両親にはお姉さんのように接していたので、安心感があったのでしょう。紹介も多く、数年後には部長にまでなりました。

私のまわりの60代以上で働いている人の多くも、心理カウンセラー、旅館の支配人、介護施設の所長、保育ママさん、介護士など「人間ならではの力」で働いています。

「誰かが待っていてくれる」は力になる

離婚して50歳でクラブのママになった女性は、80歳の現在でもお客さんから「ここがなくなると行く場所がなくなるから、90歳までは続けて」と言われることが多いとか。彼女は「30年間、一度も仕事に行きたくないと思ったことがない。お客さんが来てくれるし、性に合っていたんでしょうね」と言うのです。

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70代の陶芸家の女性は、これまで保護司、同窓会の経理、小学生の郷土カルタづくり、ラジオ体操の手伝いなど、さまざまな活動をしてきました。なかでも、近所の小学生を毎朝、学校まで連れていくのは、孫が卒業したあとも頼まれて、トータルで15年続いているといいます。彼女もこう話します。

「体がきついと思う日はあるけれど、今日は行きたくないと思ったことは一度もない。そう思うことがあったら、すぐにやめようと思っているんですけどね」

ボランティアであっても、地域の人から一目置かれ、絶大な信頼があるので、彼女の力になりたい人は多いのです。仕事でも、仕事でなくても、続けることは、やはりすごいことです。「誰かが待っていてくれる」「誰かが期待してくれる」というやりがいは、人を強くしてくれるのだと思います。

有川 真由美 作家

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ありかわ まゆみ / Mayumi Arikawa

鹿児島県姶良市出身、台湾国立高雄第一科技大学応用日本語学科修士課程修了。 化粧品会社事務、塾講師、衣料品店店長、着物着付け講師、ブライダルコーディネーター、フリー情報誌編集者など、多くの職業経験を生かして、働く女性へのアドバイスをまとめた書籍を刊行。韓国、中国、台湾でも翻訳される。

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