美容とはテクニックでも魔法でもなく、生き方のことか。
「私はそう思う。特効薬より毎日のケアがどれだけ大切か。20代の頃は化粧水とクリーム、時々、パックでよかったけれど。今はより丁寧にスキンケアするし、首肩まわりをほぐすし、睡眠も食事も入念に調整するし……。年齢と比例して手間と時間とお金はかかりますけど、美容は自分の器を愛してあげる行為。美を重ねるとは、手間を重ねることだと思うと、それができることは幸せなことですよ」
いつまでも美しくあることを追求し、謳歌している人たちが増えているということは、素直に自分を愛して、自分のために生きられるようになった人が増えたことと同義だ。
「何歳まで美しくありたいですか?」
最後にそう尋ねて、十和子さんの答えを聞いた途端、それが愚問であることに気づかされた。
自分の思う綺麗を追求し続ければいい
「SNSにも、“奇跡の50代”、“奇跡の70代”とか各世代の美のレジェンドが数多いますよね。素敵なことだと思います。今だって美容に懸命な人に対して『年甲斐もなく』とか『母親なのに』などという人もいます。SNSで誰もが自由に意見を言える時代ですから、自分の正義と誰かの正義が折り合わないことも多々あるでしょう。でも、そこは線引きしていいと思う。
何歳だって綺麗でいたいなら、自分の思う綺麗を追求し続ければいいし、私は、そうしていくと思います」
世の求める型どおりの美しさではない、自分の思う美しさこそが彼女にとって価値のあるものなのだ。そして、それを追い求め続けることが、きっと彼女の人生に何度でも花を咲かせてくれる。
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