「奇跡の56歳」君島十和子さんに見る錆びない人生 40代後半から50歳頃までの停滞期を越えて…

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(撮影:今祥雄)

「人は最後は一人です。母でも妻でもあるけれど、私は私の人生を全うしたいし、娘たちだって、すでに一個人として生きている。いつか、ママの生き方を自分の人生と重ね合わせる日も来るだろうとも思うから」

美しく育った娘たちとは、今は美容について熱心に語り合う友達のような関係でもある。

「2人とも美容が大好きなんですよ。顔を合わせるとお互いに情報交換しています。世代が異なれば、美しさや美容の価値観も変わるものだなと。驚くことも多いし、教わることもたくさんあります」

バラエティーで激辛料理に挑戦する理由

50歳を過ぎて数年が経過した。今は、公私ともにこれまで以上にチャレンジしたいなという気持ちになっているという。

「50代ともなると、走る速度を緩めたり、終わりに向かって生き方をミニマムにしていく人も多いですよね。でも、私はさらにアグレッシブに生きたい(笑)。一通りのことを経験してきたからこそ、もっと自由になれる気もしています」

そう言えば、つい最近、十和子さんは、テレビの人気バラエティ番組「ノブナカなんなん?」に出演して、バンジージャンプや超激辛料理にチャレンジしていた。

品格ある麗しき大人の女性、およそ、バラエティーには異次元な空気を漂わせている彼女が、テレビの中で体をはっているというギャップは面白く、驚きとともに感動を覚えた。

「この年になって、挑戦している姿をいろんな世代の方に見てもらえるのは幸せなことです。テレビのお話も、私自身が世の中の流れに乗っていこうと決めたからいただけたお話だし、喜んでお引き受けしました。何歳になってもやる時は真剣に全力で……私としては、タレントとしてテレビに出ていた頃から変わらないマインドですけど、年齢や立場が変わると同じことをしても驚かれるのかな(笑)。

最近、美容雑誌などの撮影現場に行くと、年齢やキャリアがあるからか、若い世代の方からは恐れられたり、YESの声しか聞けなくなることも多くて。それは寂しいです。本音で語り合いたいし、裸の王様にはなりたくない。私、まだまだ成長したいですから(笑)」

会社の業務、テレビ、雑誌などメディア出演に加えて、ここ一年でYouTubeも始めた。Instagramでも週一度はライブを続け、その飾らない語り口で新しいファンを増やしている。

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