「奇跡の56歳」君島十和子さんに見る錆びない人生 40代後半から50歳頃までの停滞期を越えて…

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「リアルで出会う人よりも、インスタでコメントくれる人のほうが本音で何でも言ってくれたり、聞いてくれたりするなんて面白い時代ですよね。(笑)」

尽きることのない成長欲と好奇心。その清々しいほどの真っ直ぐなエネルギーは君島十和子をきっと何度でも開花させていく。

美容の本質について思うこと

最後に“美容とは何か?”について聞いておきたい。十和子さんが美容家として20年近く活躍する間、世の美容ブームはますます加熱。人々の美への欲望もより深く、あからさまになっている。ダイエットやスキンケアはもちろん、整形も一般的なものになりつつある。しかし、一方では、美しさを切望して追求し続ける人たちを揶揄する声も消えることはない。

「私が20代の頃は年齢を重ねた女性が美を追求するのが難しい時代でした。それは社会圧だったんです。

今の時代は流石にそこまでの圧は感じません。あの頃よりはずっと自由に美しくいられる。それは素晴らしいことだと思います」

社会の中で綺麗でありたいと願うことは、多くの女性にとっては他人のためである以上に自分のためであると十和子さんは考えている。

「自分を好きになりたいから、元気づけたいから、美しくあろうと努力する。何歳でもきっとそうです。だから、若い世代の間では、整形も加速していますけど、非難されるべきことではないと思う。だって、メイクもフェイクという点では整形と同じですよね。ファンデーションを塗ったり、眉毛を描いたり、口紅を塗っている時点で、自分の顔を自分の好きなものに作っているわけですから。程度の差こそあれ、そこは一線上だなと思います」

しかし、美容の本質とは医療に頼りきるものでもないとも考えている。

(撮影:今祥雄)

「近年、美容医療の進化は凄まじいですよね。『できちゃったシミはレーザーで速攻消そう』『たるんだ口元は糸でリフト』と、30代など若いときから美容医療に取り組む方も増えています。

ただ、シミもたるみも、美容医療が“魔法の一手”になって、一発逆転できるかというと、現実問題、長い人生それだけではすまないんですよね。もっと自分の根っこを見て、20代、30代の若いうちから、自分の肌や体内と向き合う習慣を持つことが大事ではないかと。自分の心身の変化をつぶさに見つめて、健やかに整えていくこと、健康であること。美容の本質とは、外側だけを整えていくことではないとも思うんです」

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