北越メタル、「35%の大株主」とバトル勃発の裏側 取締役案で真っ向対立、6月21日株主総会の行方

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もう一社、微妙な立場なのがトピー工業の筆頭株主(20%)である日本製鉄だ。トピー工業の高松社長、株主提案の社外取締役候補の天川氏とも日本製鉄出身(旧新日本製鉄)だ。トピー工業は日本製鉄に事前に株主提案などについて報告していることを認めている。

一方、日本製鉄は「独立した上場会社のことであり、コメントする立場にない」という。確かにそのとおりだが、少数株主の利益に対する日本製鉄の関心度合いが伺える。

支配するなら完全子会社化が筋

上場子会社を許容する日本企業はもともと少数株主の利益に鈍感である。

そもそも日本企業全般に株主平等の原則への理解が足りないことは、株主優待制度が普及していることからもわかる。いまだに政策保有株式も残っている。株式を保有することで投資以外のメリットがあるという政策保有株の考え方自体が、他株主の利益を損なう危険をはらむという問題に無自覚であることの証左だからだ。今回のトピー工業の株主提案は、はたして少数株主の利益に配慮したものだろうか。

かといって、今回の株主提案の是非と北越メタルの経営への評価とはまた別問題だ。

2022年3月期は営業赤字だったし、ROEの水準も一般的に合格点とされる8%には遠く及ばない。北越メタルの業績改善、企業価値向上に経営陣の刷新が必要だというトピー工業の主張を端から否定されるべきものではない。

ただ、その場合でも、独立性の高い取締役候補とするくらいの配慮はあってよい。もっといえば、本当に支配したいならばプレミアムをつけたTOB(株式公開買い付け)とスクイーズアウト(強制的な株式買い上げ)を通じて完全子会社化するのが筋である。

トピー工業も2期連続の営業赤字に置かれている。お互いに争っている場合でないことははっきりしている。

山田 雄大 東洋経済 コラムニスト

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やまだ たけひろ / Takehiro Yamada

1971年生まれ。1994年、上智大学経済学部卒、東洋経済新報社入社。『週刊東洋経済』編集部に在籍したこともあるが、記者生活の大半は業界担当の現場記者。情報通信やインターネット、電機、自動車、鉄鋼業界などを担当。日本証券アナリスト協会検定会員。2006年には同期の山田雄一郎記者との共著『トリックスター 「村上ファンド」4444億円の闇』(東洋経済新報社)を著す。社内に山田姓が多いため「たけひろ」ではなく「ゆうだい」と呼ばれる。

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