アマゾンの謎の社内資格「バーレイザー」の秘密 昇進も昇給もないけど最も尊敬される称号

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優秀な人材が集まる仕組み、アマゾン独自の社内資格「バーレイザー」制度とは(写真:タカス/PIXTA)
1995年に創業し、時価総額世界一にもなった巨大企業アマゾン。特筆すべきは、同社は今も驚異の成長を続けていることだが、その原動力は画期的なサービスや技術力ではなく、ジェフ・ベゾスたちが試行錯誤の末にたどり着いた人事制度である。優秀な人材を雇い入れ、最大限にパフォーマンスを発揮させることで、持続的な成長を可能にしている。その人事制度ができあがっていくのをアマゾン内部で体験した佐藤将之氏の新著『amazonのすごい人事戦略』から、アマゾン独自の社内資格「バーレイザー」制度について紹介する。

アマゾンとのフィットを見極める

アマゾンでは、あるレベル以上の職位の人を採用する際には、必ずバーレイザーが2次面接に加わることが決められています。私のときはレベル6以上の採用に際しては、バーレイザーが入ることが条件でした。

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バーレイザーとは、「バーを上げる人」という意味で、採用の基準を高めるために選任される人のこと。バーレイザーはアマゾンの社内の資格で、教育を受けたあとに称号としてもらえるものです。

それなりの能力を持った人間でないと務まらないので、アマゾンの社員の中でも特に優秀な人の中から選ばれることが多い名誉職です。私がいたころは社員数1000人中、10人ほどしかいなかったのではないでしょうか。

バーレイザーは、面接ではその人のスキルや能力はほとんど見ません。それよりアマゾンへのフィットネスを見ます。

「この人がアマゾンに来たら成功しやすい人かどうか」

「アマゾンのレベルを上げてくれる人かどうか」

をチェックするのです。

たとえば、レベル6のマネージャーを採用するとき、その人が6のレベルをさらに上げてくれる人かどうかを見ます。

ですから、「この人が入ってきてもバーは上がらない」と思ったときは、バーレイザーはノー(不採用)を付けるケースがあります。

もしくはアマゾンのカルチャーにフィットしにくい場合も不採用にします。

みんながそれぞれオーナーシップを持ち、自発的に行動し、チームワークを大切にしているのに、自分1人が成果を出すためにスタンドプレーも辞さないような人は「ノー」というケースがあります。

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