アマゾンが社員に「LinkedIn」を使わせる理由 世界的人材争奪戦に勝つためのあの手この手

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アメリカのアマゾンが人材獲得に必死になっている一つの例をご紹介しましょう。それは、大学の授業料を払う代わりに、学生に卒業後、アマゾンに入社してもらう制度です。

いまアメリカでは大学の授業料が高騰しており、州立大学でも4年間で1000万円かかります。同州の住人は優遇されるけれど、それでも400万〜500万円かかる。いわゆるアイビーリーグなどの名門私立校は、1年間で1000万円です。それを肩代わりするのです。

アマゾンの入社は学歴不問

この制度には人材不足の解消以外にもう一つ目的があります。それは飛び級して大学に入るような天才をつかまえること。シアトルでは16歳ぐらいの大学生も珍しくありません。そんな優秀な頭脳を、将来の社員として確保しておく目的もあると聞いています。

ちなみにアマゾンの採用では、学歴はあまり重視しません。

とはいえ経営陣に近いレベルでは、関係するケースもあります。VPであればMBAを取っていないとか、もしくはマスタークラスの資格を持っていない場合は、それをカバーするだけの実績がなければ採用にはならないのではないでしょうか。

しかし、基本的には学歴不問だと思ってもらっていいでしょう。

アマゾン時代、私のボスは、私についてよく冗談で、「お前みたいな三流大学出でもGMになれるんだから、うちの会社は学歴は関係ないよな」とよく言っていました。もちろん冗談で言っているにしても、あまり学歴が左右するということはありません。

高卒でもカスタマーサービスからキャリアをスタートして、シニアマネジャークラスになった人もいます。

私がアマゾンにいたときのワールドワイド・カスタマーサービスのトップだったVPは、大学は出ていましたが、キャリアのスタートはコールセンターのオペレーターです。社内のレベルでいえばL1です。でも、マネジメント力やリーダーシップもあった人なので、入社後12~13年でVPにまでなりました。

アマゾンではきちんと結果を見て公平に処遇してくれるので、力のある人は必ずそれなりのポジションに行けるのです。

佐藤 将之 エバーグローイングパートナーズ代表取締役/事業成長支援アドバイザー

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さとう まさゆき / Masayuki Sato

セガ・エンタープライゼスを経て、アマゾンジャパンの立ち上げメンバーとして2000年7月に入社。サプライチェーン、書籍仕入れ部門を経て、2005年よりオペレーション部門にてディレクターとして国内最大級の物流ネットワークの発展に寄与。2016年、同社退社。現在は鮨職人として日本の食文化の発展に携わるとともに、成長企業での15年超の経験を生かし、経営コンサルタントとして企業の成長支援を中心に活動中。著書に『アマゾンのすごいルール』『アマゾンのすごい問題解決』(宝島社)、アマゾンのスピード仕事術」(KADOKAWA)、などがある。

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