三菱電機、工場設備需要増で増益幅拡大 通期営業利益予想を150億円増の2900億円に
[東京 2日 ロイター] - 三菱電機<6503.T>は2日、2015年3月期の連結営業利益予想(米国会計基準)を前年比23.3%増の2900億円(従来予想2750億円)に上方修正したと発表した。円安が寄与したほか、中国のスマートフォン(スマホ)メーカーはじめ国内外の設備投資需要で、ファクトリーオートメーション(FA)機器が伸びた。
営業利益は、過去最高(2008年3月期の2640億円)を更新する。トムソン・ロイターの調査によるアナリスト21人の営業利益の予測平均は2930億円。今期に入って営業利益予想の上方修正は3回目で、四半期決算の度に見通しを引き上げている。
FA機器は、中国スマホの設備投資の需要が高い水準で続いた。国内では、自動車、工作機械、電子部品の各メーカーの設備投資の需要も大きかった。北米の新車販売台数の増加を背景に、自動車関連機器も伸びた。
記者会見した松山彰宏常務は「国内では、中小メーカーの設備投資は上期まで厳しかったが、下期になって少し設備の更新需要がでてきた。投資減税や助成金の効果、生産の国内回帰もある」と述べた。中国スマホメーカーの設備投資については「年度内は高水準の需要が続く」との見方を示した。
15年3月期の売上高予想は前年比4.6%増の4兆2400億円(従来4兆2200億円=訂正)、当期純利益予想は同30.3%増の2000億円(同1900億円)に、それぞれ引き上げた。
<業績予想は一段の上振れも>
1―3月期の想定為替レートは、ドル100円、1ユーロ130円の見通しをそれぞれ据え置いた。松山常務によると、1―3月期のドル平均が115円程度になると仮定した場合、今回の業績予想よりも、売上高で180億円、営業利益で70億円前後の押し上げになるという。
14年4―12月期の連結業績は、売上高が前年比9.4%増2兆9832億円、営業利益が40.6%増の2013億円、当期純利益が同53.4%増の1456億円だった。スマホや自動車関連、国内製造業の設備更新で、FA機器の受注が伸びた。4―12月期は、円安が売上高を790億円押し上げた。
*本文5段落目の15年3月期の売上高の従来予想を「2兆2200億円」から「4兆2200億円」に訂正します。
(村井令二)
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