もうひとつ重要なのは、仲間との絆だ。賀来賢人演じる三輪と濱田岳演じる元刑事の東堂は、鳴沢夫妻とは大学時代からの親友。温人とは一時疎遠だったが、事件解決のためチームとしてともに行動するようになる。そして、2人もまた自分の娘を誘拐されるというつらい体験を共有することで、時に衝突しながらも4人は絆を深めていく。
つまり、『マイファミリー』は、二宮和也演じる鳴沢温人が、夫であること、父親であることに目覚めるドラマ、そして損得を超えた仲間との絆の大切さを再確認するドラマと言うことができるだろう。その意味では、あえて言うなら“犯人探し”自体はこの作品にとって二の次でもある。だから、警察は脇役に甘んじるしかないし、温人は警察に頼ることをしないのである。
ジャニーズアイドル・二宮和也と『マイファミリー』
こうした今回の役柄は、ジャニーズアイドルとしての二宮和也本人にオーバーラップするところがあると思える。
ゲーマーとしても有名で、昨年父親にもなったという私生活上の共通点だけではない。ドラマの核が主人公の成長物語であることが、そのように思わせるのだ。成長こそは、アイドルの最大の魅力だろう。
そしてグループアイドル全盛のいまにおいて、その成長物語に仲間の存在は欠かせない。どんな困難に直面しようとも、信頼する仲間同士で力を合わせて乗り越える。それはいうまでもなく、嵐というグループの一員として、二宮和也が自ら経験してきたことだ。
もちろん、『マイファミリー』においては、家族の物語がもう一方の中心にある。だが未知留とは大学時代に知り合ったという設定で、そこには夫婦でありながら仲間という関係性がある。だから三輪と東堂を加えた4人は、ひとつのチームになることができる。鳴沢夫妻においては、夫婦であることと仲間であることは切り離せない。
このあたりには、ジャニーズアイドルの長寿化という時代背景もあるだろう。
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