価格高騰でもまだ買える国産旧車のダークホース TE27レビン/トレノや初代ロードスターに注目

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セイコー自動車が展示していた初代NA型のロードスター(筆者撮影)
セイコー自動車が展示していた初代NA型のロードスター(筆者撮影)

一方のセイコー自動車は、マツダのオープンスポーツカーで、30年以上もの長い間ロングセラーを続けるロードスターのレストアやメンテナンスを専門に行う業者だ。とくに1989年発売の初代NA型と1998年発売の2代目NB型が同社の主力車種。今回のショーにも、1993年式と1995年式のいずれもNA型を展示した。

ロードスターのエンジン(筆者撮影)
ロードスターのエンジン(筆者撮影)

なお、1993年式はユーノスロードスターの車名で販売されたモデルで、これは当時マツダが展開していた販売チャンネル「ユーノス」の名称を付けていたため。また、エンジン排気量は1993年式が当初設定されていた1.6Lだが、1995年式では1993年のマイナーチェンジにより1.8Lにアップされた仕様を搭載している。ちなみに1993年式の展示車両は、フロントバンパーや内装などが外されたレストア中の車体をあえて披露することで、同社の技術力もアピールしていた。

レストア中の状態で展示されたロードスター(筆者撮影)
レストア中の状態で展示されたロードスター(筆者撮影)

セイコー自動車は、もともとは1969年から続く老舗の板金塗装工場で、以前は比較的新しい車種の修理なども手がけていた。だが、コロナ禍により仕事が激減したことで、2020年8月から事業転換し、ロードスター専門のレストア業者となった。ロードスターに特化した理由を同社代表の清金誠司氏に聞くと、「(マツダのお膝元である)広島を拠点としていることもあり、今まで数多くの車両を手がけてきた実績や経験があったから」だという。

同社の顧客は、40代から60代を中心に、10年以上乗り続けているユーザーがメインだ。ただし、最近は、新規で古いロードスターに乗りはじめる層も増えてきている。比較的高い年齢層で、子どもの独立などで経済的に落ち着いたこともあり、「若い頃の憧れだった」などの理由で購入する層もいるという。

初代や2代目ロードスターも徐々に値上がり中    

ロードスターのリアビュー(筆者撮影)
ロードスターのリアビュー(筆者撮影)

そうした需要増が影響しているのか、初代や2代目ロードスターの中古車価格も近年上昇傾向だという。最初にNA型が上がり、それに続いてNB型も、以前は100万円程度の相場価格だったのが、ここ1年くらいで2倍以上になったという。NA型やNB型は、それでも250万円から300万円程度で購入できるため、前述したAE86型のカローラレビンやスプリンタートレノなどと比べればまだまだ安い。もし、新規で国産旧車を所有したいのであれば、比較的手が出しやすい車両だといえるだろう。

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