価格高騰でもまだ買える国産旧車のダークホース TE27レビン/トレノや初代ロードスターに注目
そんな高級ビンテージカーに交じって展示されていたのが、1974年式のトヨタ・スプリンタートレノ。スプリンターのクーペモデルをベースに、1.6Lの直列4気筒エンジンを搭載した高性能グレードの初代TE27型だ。
兄弟車のカローラレビンとともに1972年に発売された同モデルは、前述した4代目AE86型のいわば元祖。当時のトヨタ車では唯一オーバーフェンダーを装備し、クーペボディのスポーティなフォルムを持つのが特徴だ。ヴィンテージ宮田の担当者によれば、展示したスプリンタートレノやカローラレビンのTE27型は、近年徐々に市場から注目を集めているという。
理由は、まず、中古車価格が400万円前後であること。800万円台もざらにあるというAE86型よりも安いのだ。なお、展示車両では、ほかの車体から純正部品を移植するなど、レストアにかなり手間がかかったこともあり、価格(税込み)は750万円と一般の相場より高くなっているという。
AE86に比べれば控えめな中古車価格
また、AE86型の場合は、当時のモータースポーツ人気もあり、改造してサーキットなどを走るユーザーも多かった。とくにクルマを横滑りさせるドリフト競技では定番モデルだったが、ハードなチューニングやクラッシュなどで頻繁に車両が壊れるケースも多々あった。一方、TE27型が発売された時代は、AE86型ほど大幅な改造や激しい走り方をするユーザーは少なく、そのぶん中古車の程度もよく、残存しているタマ数もより多いという。さらに内外装も純正のままである車体が多いため、オリジナルにこだわる愛好家にも手が出しやすいなどの魅力があるそうだ。
だがTE27型も、近年は中古車価格が上昇してきているという。同社担当者の話では、「4年ほど前であれば、150万円くらいで購入できた」のが、今では前述のとおり400万円台まで高騰。近年の国産旧車は、全体的に価格が上がっているが、とくにTE27型のような1.6Lクラス、トヨタの「セリカ」や日産の「ブルーバード」などの人気が高まってきたという。ただし、国産旧車の稀少車、例えば日産の3代目スカイライン(1968年発売)、通称「ハコスカ」が2000万円を超える車体も多いことを考えれば、価格が上昇しているといっても十分に安いことだけは確かだ。市場のニーズが、より手を出しやすい古いスポーツモデルへ移行していることがうかがえる。
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