待ち時間ほぼなしで行ける「関西のJR」乗り換え術 「15分サイクル」で揃えたダイヤを使いこなせ

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2022年春のダイヤ改正では、以前の記事で「骨折ダイヤ」と称して(「1分差で乗り継げず45分待ち…痛い『骨折ダイヤ』」)ちょっとの差で乗り継げない事例として紹介した、山陽新幹線の相生―新倉敷間を利用する場合の接続が改善された。

以前は同区間を日中に利用する場合、新大阪から先の全駅に停まる岡山行き「ひかり」に乗ると、岡山に着く3分前に同駅始発の「こだま」が発車してしまい57分待ちになるというダイヤだったが、これが3分接続になった。

今春までは、下りは岡山止まりの「ひかり」が毎時19分岡山着で、その3分前に博多行き「こだま」が出発、上りは岡山止まりの「こだま」が毎時29分着、その3分前に東京行き「ひかり」が発車するダイヤだった。現在のダイヤだと下りは岡山止まりの「ひかり」が到着した3分後、毎時19分に博多行き「こだま」が出発、上りも岡山止まり「こだま」が到着した3分後、毎時29分に東京行き「ひかり」が発車する。これで54分もの時間短縮になった。

「MaaS」というならまずダイヤの工夫を

一方、関西から東京に戻り、御茶ノ水で快速が止まり切った瞬間に隣の各駅停車のドアが閉まるのを見て、あぁ、首都圏に帰ってきた……と感じてしまった。JR東日本も今年春の改正で平日の京浜東北線快速と山手線で毎時12本ずつに運転本数を揃え、田端と田町で発車時刻も揃えて接続させるようになって使い勝手がよくなった。

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一方で平日の新宿では山手線が毎時12本に対して中央・総武線各駅停車は11本と合っていなかったり、東京メトロも赤坂見附では銀座線が毎時18本の一方で丸ノ内線は6の倍数の12本ではなく13本だったり、表参道では半蔵門線12本、銀座線18本と6の倍数で揃えているのに、田園都市線内急行の押上方面行きから銀座線へ乗り換えようとすると、停まる寸前に目の前でドアが閉まるなど、首都圏はまだまだ「がっかりダイヤ」のオンパレードだ。

これは「MaaS」の推進を考えるならばぜひとも解決していただきたい課題だ。関西のJR西日本やスイス国鉄のように、ダイヤサイクル長と、この駅ではこの時刻で待ち合わせるというルールづくりをすれば、ストレスフリーなダイヤが実現できることは証明されている。都市圏ごとに〇〇分の周期のダイヤに統一し、統一した周期の倍数か約数の運転間隔で走らせるといった「周期のルール」を作る議論を行い、所要時間の短縮と運転本数に占める有効本数の最大化を目指したUX(顧客体験)ファーストのダイヤ設計をしていただきたい。

北村 幸太郎 鉄道ジャーナリスト

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きたむら こうたろう / Koutaro Kitamura

1989年東京生まれ。2008年昭和鉄道高等学校運輸科卒業、2012年日本大学理工学部社会交通工学科マネジメントコース卒業。乗り鉄、ダイヤ鉄。学生時代は株式会社ライトレールにインターン生として同社の阿部等社長のもと、同社主催の「交通ビジネス塾」運営などに参加。

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