確かに、そういうことはあるのだろう。「自分自身の真の価値に気づいていない」ということが。
いま、企業の多くが従業員に「キャリア自律」を促している。副業や兼業を認める大企業が増えているのも、それがキャリア自律のためのトライアルになる、と考えているからだ。なるほど、自分のキャリアは自分で切り開く、というのは主体性を育む意識を尊重しているようで、いいことのように思える。
企業が「あなたの一生を保証できない」と言うのなら
ただ、そのことは裏返せば、企業が「もはや従業員の一生を保証できない」と考えていることを意味する。
だからといって、「企業はなんて身勝手で無責任なんだろう」などと非難するつもりはない。身勝手な感じはあるけれど、それが今の企業のリアルなのだし、これまでが従業員を手厚く処遇しすぎていたのかもしれない、とも思う。
筆者は、転職についてはニュートラルな立場をとる。それは転職を否定するわけではなく、みんなにオススメしたいわけでもない、ということだ。言うまでもないが、それは個々人がそれぞれの考えによって決めることだ。
ただ、企業が臆面もなく「あなたの一生を保証できない」と言うのであれば、自分の市場価値を測ってみることを避けるわけにいかないのではないか。
リクルートの藤原さんは、こんな話もしてくれた。「この方は、こんなに貴重な技術を持っているんだから、どんなメーカーも欲しいはず。日本に50人しかいないのだから、年収2000万円もらってもいいよね、みたいな方がいるんです」
繰り返しになるが、筆者は転職をみんなにススメようとは思わない。だが、もしかすると、あなたも「ハイキャリア人材」なのかもしれない。
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