観光競争力で初首位も、海外客再開に欠ける視点 忌避に偏見、受け入れ再開に反対の声が充満
岸田首相は先週、新型コロナウイルスの水際対策について、6月1日から1日あたりの入国者総数の上限を2万人に引き上げるとともに、10日から訪日外国人観光客の受け入れを再開すると表明しました。外国人観光客の受け入れは、約2年2カ月ぶりになります。
全国の観光地・観光関連業者は、この2年間コロナ禍で壊滅的な打撃を受けました。そこにようやく復活の光が差してきたわけです。しかし、コロナ対策の観点から慎重な対応を求める声もあり、この政策転換を歓迎する意見ばかりではないようです。
今回は、訪日外国人観光客の受け入れ再開に関する意見を確認したうえで、今後考えたい2つの視点を紹介しましょう。
外国人観光客がいなくなって「コロナ様様」
岸田首相が訪日外国人観光客の受け入れ再開をしたところ、各方面から色々な意見が上がりました。観光客の回復を期待する観光関連業者は今回の政策転換を歓迎する一方、SNSやネット掲示板では慎重な意見や反対意見が多く見受けられました(Yahoo!ニュースのアンケートでは、70%以上が水際対策の緩和に「反対」)。
筆者がまず一般市民に取材したところ耳にしたのが、コロナ対策の観点から慎重な対応を求める意見でした。
「まだ毎日2万~3万人の新規感染者が出ており、コロナが完全には終息していません。時期尚早だと思います」(50代男性・会社員)
「ここまで日本でコロナの被害が小さかったのは、水際対策がうまく行ったからでしょう。それを一気に緩めると、欧米のような感染爆発が起こるのではないかと心配です」(30代女性・会社員)
「感染症法上の分類を2類から5類にするなど、国内の対策が先。いずれ訪日外国人観光客を受け入れることには反対しませんが、国内の対策を完了した後じっくり時間を掛けて進めることでよいのでは」(40代男性・自営)
そして、コロナとは関係なく、そもそも訪日外国人観光客それ自体を歓迎しないという意見がたくさん聞かれました。
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