観光競争力で初首位も、海外客再開に欠ける視点 忌避に偏見、受け入れ再開に反対の声が充満

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「コロナ前はどこの観光地も外国人観光客でごった返して、ゆっくりできませんでした。私は旅行が好きなので、今回の受け入れ再開でまた旅行を楽しめなくなるのは残念です」(60代女性・主婦)

「外国人観光客はうるさいし、マナーが悪い。とくにお隣りの2カ国は最悪。治安だって確実に悪くなりますよね。この2年間、外国人観光客がいなくて、実に快適でした。大きな声では言えませんが、この点に関してはコロナ様様です」(40代男性・団体職員)

再び奈落の底に突き落とす?

さて、ここからは、今回あまり議論されていない2つの視点を紹介しましょう。

1つ目は、観光関連業者の怒りです。観光関連業者に取材したところ、今回の受け入れ再開に反対する声は皆無で、国内で反対意見が出ていることに憤っていました。

「この2年間、外国人観光客がいなくなって、われわれは壊滅的な打撃を受けました。私の周りでも耐えきれなくなって廃業した同業者がわんさかいます。借金が残って廃業できず、夜逃げしたという同業者もいます。こういった実情を少しでも知ったら、外国人観光客の受け入れ再開に軽々しく反対できないのではないでしょうか」(北陸の旅館経営者)

「今回の受け入れ再開で、ようやくトンネルの出口が見えてきました。再開に反対する人は、地獄から這い上がろうとしているわれわれに手を差し伸べるどころか、再び奈落の底に突き落とそうとしているわけです。よく『コロナは生命の問題だ』と言われますが、外国人観光客の受け入れもわれわれにとって死ぬか生きるかの問題なのです」(関東の旅行代理店経営者)

コロナに関する議論では、よく「生命と経済を同列で比較するな」「経済よりもまず生命を優先せよ」と言われます。しかし、こと観光関連業者にとっては、コロナとその対策は生命と経済が渾然一体となった複雑な問題のようです。

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