税理士が「自分の父の相続」をやって実感した困難 不良債権化した「裏山」の売却には5年かかった

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相続について顧客にアドバイスをする立場の税理士でも、いざ自分が親の相続をやってみると苦労するのです(画像:書籍より一部抜粋)
相続税は、2022年度の税制改正大綱で、前年度に引き続き将来の増税が示唆されています。相続・相続税対策の基本は早く準備をはじめることです。しかし、6000件以上の相続税を申告してきた税理士が、自分の父の相続対策で直面したのは「教科書どおり」にはいかない現実でした。
本稿では相続対策のリアルについて、ランドマーク税理士法人・清田幸弘氏の新著『相続専門の税理士、父の相続を担当する』から一部抜粋、再構成しお届けします。

親と相続の話をする場合、「親の死」が前提なので、人によっては抵抗を感じます。相続に関する話はデリケートであり、気心の知れた親子であっても、話しにくいものです。親と相続の話をしておきたくても、なかなか切り出せずにいる方も多いと思います。

それでも、相続対策は、できるだけ早めにはじめたほうが得策です。

「相続のタイミングは、いつやってくるかわからない」

「相続対策には、時間がかかる」

「相続発生後(親が亡くなったあと)では、相続対策はできない」

からです。親(財産所有者)が健康を損ねてしまったあとでは、相続対策を検討するのが難しくなってしまいます。

父に相続について打診

清田家の場合、「父」から相続の話があったわけではなく、「私」から話を切り出しました。私から話を振った理由は、 

・父は先代から「家督相続」(長男がすべてを相続すること)によって財産を譲り受けたため、「均分相続」(長男を含めた家族全員が相続すること)の大変さを知らない
・私は息子でありながらも、税理士として客観的、専門的な意見ができる

と考えたからです。前職の農協時代から、農家の方々の

「農地が財産に含まれていると、遺産分割がまとまりにくい」

「農地は面積が大きいので、地域によっては評価額が高額になり、相続税が多額になる」

「農地を相続すると、固定資産税、維持費用などのコストや管理の手間が生じる」

「親が相続の方向性を示さないまま亡くなると、相続人同士が揉めやすい」

といった相続のトラブルを見ていたため、「早くから相続対策すること」の必要性を感じていました。ただし、「相続対策をしたい」とストレートに切り出すと、父が機嫌を悪くするかもしれません。

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