税理士が「自分の父の相続」をやって実感した困難 不良債権化した「裏山」の売却には5年かかった
親と相続の話をする場合、「親の死」が前提なので、人によっては抵抗を感じます。相続に関する話はデリケートであり、気心の知れた親子であっても、話しにくいものです。親と相続の話をしておきたくても、なかなか切り出せずにいる方も多いと思います。
それでも、相続対策は、できるだけ早めにはじめたほうが得策です。
「相続のタイミングは、いつやってくるかわからない」
「相続対策には、時間がかかる」
「相続発生後(親が亡くなったあと)では、相続対策はできない」
からです。親(財産所有者)が健康を損ねてしまったあとでは、相続対策を検討するのが難しくなってしまいます。
父に相続について打診
清田家の場合、「父」から相続の話があったわけではなく、「私」から話を切り出しました。私から話を振った理由は、
・私は息子でありながらも、税理士として客観的、専門的な意見ができる
と考えたからです。前職の農協時代から、農家の方々の
「農地が財産に含まれていると、遺産分割がまとまりにくい」
「農地は面積が大きいので、地域によっては評価額が高額になり、相続税が多額になる」
「農地を相続すると、固定資産税、維持費用などのコストや管理の手間が生じる」
「親が相続の方向性を示さないまま亡くなると、相続人同士が揉めやすい」
といった相続のトラブルを見ていたため、「早くから相続対策すること」の必要性を感じていました。ただし、「相続対策をしたい」とストレートに切り出すと、父が機嫌を悪くするかもしれません。
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