今の時代に「専業主婦家庭」を目指す大きな難易度 親の世代を見て「当たり前」と思っては失敗する
2021年の結果は、1813万世帯という大規模な世帯母数をベースにしています。データを見るときには、その調査対象や規模を確認することが大切です。例えば「お客様満足度80%」というフレーズをそのまま鵜吞みにするような人は、特に気をつけたほうがいいでしょう。
80%といっても、5人のうち4人の80%なのか、100人のうち80人の80%なのかでは、その結果の信頼度が大きく変わることは、想像にかたくないでしょう。
また、同じ100人であっても、その人々が特定団体の人がほとんどを占めるような場合は、「これは怪しいぞ」という感覚を持ちたいものです。
国の調査はその点、サンプルの集め方に配慮して、できるだけ調査対象のバイアスがかかっていない母集団の意識や動向をみることができるように設計されています。
今や専業主婦世帯はわずか3割
■専業主婦世帯(男性雇用者と無業の妻からなる世帯)と共働き世帯の推移(1980年~2021年、単位:万世帯)
この推移グラフを見て、「え、共働き世帯と専業主婦世帯の比率は、逆じゃなかったの?」と思った方は、かなり時代に取り残された結婚・夫婦観をもっている、といえるでしょう。
2021年において、専業主婦世帯は31%、共働き世帯は69%となり、専業主婦世帯比率は過去最低割合を更新しました。今では、専業主婦世帯は3世帯に1世帯もないという状況です。
しかし、1980年に生まれた子どもたち(2022年現在で42歳)の両親についてみると、状況はまったく逆で、64%が専業主婦世帯だったのです。したがってグラフの世帯推移から考えると、現在30代から40代の男女が「専業主婦世帯が普通でしょ?」と思って婚活する傾向があるのは、彼らが親の姿を見て育っていれば、十分にありうる話といえます。
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