「日本消滅」を避けるために取るべき未来への戦略 楽天・三木谷氏とサイバー藤田氏からの提言

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藤田:楽天さんはすでに海外人材を多く採用していますよね。うちはまだそこまでできていなくて、当社が運営するサッカーチーム(FC町田ゼルビア)の監督に外国人を迎えたくらいで……(笑)。そう考えると、サッカー界のほうが、産業界より進んでいますね。

トップが外国人、という選択肢もあっていい

三木谷:楽天モバイルのCEOをヨルダン出身のタレック・アミンにお願いすることにしました。彼はアメリカ、インドのモバイル畑を渡り歩いて、この世界ではおそらくグローバルで10本の指に入るほどの人間です。

現在楽天モバイルのCEOを務めるTareq Amin(タレック・アミン)氏。T-Mobileなどを経て2018年に楽天に参画

僕はモバイルの素人ですから、自分より詳しい人にやってもらうほうがいいに決まっているんですよ。すぐれた人材を求めるときに、日本国内だけで探すのか、世界から探すのか。当然、世界から探すほうがいいに決まっていますよね。

藤田:なるほど、そうなると人材起用の幅も広がりますね。

三木谷:タレックを見ていて感動するのは、やっぱり発想がダイナミックなんですよ。いろんな国でいろんな経験をしてきた人間は発想の仕方が違うなと、いつも感心しています。

だから、日本の企業や公的機関のリーダーに外国人を登用する動きはもっと活発化したらいいんじゃないかと思いますね。イギリスの日本郵便にあたるロイヤルメールという会社で、民営化という大改革を担ったCEOはカナダ人の女性でしたしね。

デジタル庁のトップも外国人を選んだってよかったはずです。「公務員は日本人じゃないといけない」というルールは本当に必要なのか疑問ですね。優秀な人材をより広い世界か ら集めたほうが、日本のためになると思いますよ。

藤田:スタートアップ環境も三木谷さんが起業された頃や僕が起業した頃に比べるとずいぶんとよくなりましたし、起業家に対する世間の目も温かくなりましたよね。

でも、昇龍の勢いで経済が発展していたら、日本からユニコーン企業がもっと生まれていただろうと。そう思いませんか。

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