ジャニーズとネット「二宮和也」が拓いた新境地 「ジャにのちゃんねる」がここまで成功できた訳

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まさに際立った成功を収めた「ジャにのちゃんねる」。その理由はなんだろうか? 当然、ジャニーズの人気者が集まってYouTubeを始めたという話題性もあっただろう。だが、それだけではない。

一言で言うと、この「ジャにのちゃんねる」は、ジャニーズアイドルがちゃんとユーチューバーをやろうとしているYouTubeだ。とてもYouTubeらしいYouTubeであり、その点で他のジャニーズのYouTubeとは一線を画している面がある。

例えば、手作り感もそのひとつ。有名芸能人のYouTubeの場合、出演以外の部分は専門のスタッフが担っていることが多い。だが「ジャにのちゃんねる」では、中丸雄一が、二宮和也からの指名で動画の編集を担当している。

さらに二宮も、予算的な面を管理したり、動画のテロップとして入れる文言(心の声)を考えたりしている。企画を全員で考えることもある。つまり、4人はただ出演するだけでなく、ほかのスタッフに極力頼らずに自前で動画を制作している。

ニノは経理(社長)

そうしたところから、「ジャにのちゃんねる」だけでしか見られない展開も生まれる。

例えば、4人の呼び名がそうだ。彼らには、チャンネル内だけのユニークな呼ばれかたがある。二宮和也が「経理(社長)」、中丸雄一が「編集」、山田涼介が「自発光」、そして菊池風磨が「卍」。

これだけでは何のことかわからない人もいるだろう。それもそのはず、いずれも「ジャにのちゃんねる」の流れのなかで生まれた呼び名だからだ。二宮の「経理(社長)」と中丸の「編集」は、先述の話でなんとなく見当がつくだろう。

「自発光」は、ある動画のなかで、普段からキラキラ感をまとう山田が照明も当たっていないのに自ら光を発しているように見えたこと、「卍」は、一番後輩であり、唯一陽キャな面を持つ菊池のいまどきの若者的なところから付いたものだ。

それらの呼び名は、むろん仲間としての親密さ、チームとしての一体感の表れでもある。全員が最初からお互いよく知っていたわけではない。

中丸と菊池などはこのチャンネルへの参加をきっかけに特に仲良くなったようだが、菊池が茶目っ気たっぷりに中丸をいじり、それにウケた山田が必死で笑いをこらえる、といった構図は、いまや「ジャにのちゃんねる」の名物のひとつでもある。新たな化学反応も生まれているというわけだ。

また、YouTubeらしいストーリー性も、チャンネルが盛り上がった要因のひとつだろう。

YouTubeの事情に詳しい放送作家・白武ときおによれば、ユーチューバーが人気を得るポイントは、ストーリー性にある。だんだん有名になり、ある段階から飛躍的に人気を得ていくストーリーをともに味わうのが、ユーチューバーを応援する醍醐味だ。それは、「無名の完成されていないアイドルの成長物語」に似ていると、白武は言う(白武ときお『YouTube放送作家』)。

もちろん、「ジャにのちゃんねる」の4人は全員、すでによく知られたアイドルだ。だが、今回のYouTubeでは、事務所による宣伝には頼らず、最初はひっそりとスタートし、それからバズり始めるまでのプロセスをチャンネルのなかで逐一見せていた。

その意味では、彼らは、「アイドルの成長物語」を再演したと言えるだろう。そこには、YouTubeのツボを心得た二宮和也のプロデュース能力の冴えも感じられる。

このように、「ジャにのちゃんねる」は、“YouTubeの鉄則”に忠実につくられていると言える。そこに、熱心なジャニーズファン以外が見ても楽しめる要素がある。

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