ドイツ渡航でわかった日本コロナ規制の自由さ 店ではマスク外しを促すが、バスは厳重マスク

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ではマスクの着用については、ドイツの規定はどうなっているのでしょうか。州によって規定が違いますが、筆者が滞在したバイエルン州の規定では「公共交通機関の中のマスクの着用義務」があります。それも日本で見かけるような不織布マスクではなく、FFP2マスクの着用が義務付けられているのです。筆者も現地の薬局で購入したFFP2マスクを着用していましたが、当初は慣れず、ちょっぴり息苦しさを感じました。

バスへの乗車ではマスク着用が義務づけられていた(写真:筆者撮影)

筆者は「日本のマスクの常識」が身に染みついています。そのためドイツ流のマスクのつけ方について、疑問に思ってしまいました。ほとんど会話のないバスや電車の中でFFP2マスクの着用が義務づけられている一方で、カフェやレストランなどの飲食店に足を踏み入れると、誰もマスクをしておらず大きな声で話しています。

「会話をする飲食店でこそマスクをしたほうが効果的なのでは……」、「マスクをしない、またはFFP2マスク着用義務の二択だなんて、すいぶん極端だな。普通の不織布マスクでいいのに」と思ってしまいました。

ノーマスクの会食で感染不安に襲われる

以前日本国内で出張をした際に、新幹線やタクシーの中などの移動中はマスクをしっかりつけているものの、いざ会議が始まると「話す時にマスクをするのは息苦しいから」という理由でマスクを外していたドイツ人のことを思い出しました。「大きな声でしゃべる時こそマスクを」というのが日本の常識なわけですが、これをドイツ人に理解してもらうのは難しいところがあります。

ミュンヘン滞在中に友達6人でレストランで会食した際にも誰もマスクをつけておらず、私も含めて大きな声でそれぞれが近況報告をしたり、笑ったり、乾杯したりを繰り返していたので、日本への帰国日が迫ってくると「これで万一コロナに感染したら日本に帰れなくなってしまう。どうしよう」と不安にかられ、会食があった日の夜は眠れませんでした。

ミュンヘンに滞在中、白髪を染めるために地元の美容室に入った時のことです。美容師さんは大変愛想がよく、たくさん話してくれました。会話の中で、筆者が「3日前に外国(日本)から来た」ことを話しても、美容師さんが警戒をする様子はなく、「ところで、マスクは外していいわよ」と言うではありませんか。

聞けばその美容室では、美容師さんなどのスタッフは全員マスクを着用しているものの、お客さんには「ノーマスク」を勧めているのだそうです。美容師さんの話しぶりから感じ取れたのは、「お客さんにマスクをさせないことこそがサービスである」という信念のようなものでした。

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