アイデアが「バカウケする人」の頭の使い方4工程 普通の人との違いは才能ではなくスピードだけ

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「アイデア生産の4つの工程」を意識することなく高速処理できる人がヒットメーカーであり、アイデアマンなのです。

もちろん、私たち普通の人間は、ハエにはなれません。syudouにもなれません。

しかし、あきらめる必要はまったくないのです。

もう一度、ハエの画像処理能力を思い起こしてください。人間の約4倍の処理能力を持っているハエは、世界がスローモーションに見えています。

私たち普通の人間は、ヒットメーカーやアイデアマンのように準備工程を高速処理してアイデアを生み出すことはできません。

それでいいのです。それを逆手にとればいいのです。

スローモーションの側の私たちは、時間をかけてヒットメーカーやアイデアマンの認識処理に追いつき、アイデアを生み出せばいいのです。

時間をかければ、誰でもヒットメーカーに追いつける

通常、アイデアが求められる場面は、その瞬間ではありません。テレビの「大喜利」であれば、その一瞬に答えが求められますが、ビジネスにおいては、必ずスケジュールが組まれるはずです。つまり、事前準備をする時間が与えられるはずです。

瞬間芸でなくていいのですから、「閃かない」「才能がない」と最初からあきらめる必要はまったくないのです。しっかりと時間をかけて準備をすること、これが大切です。

もちろん、アイデアを生み出すには、「センス」「知識量」「経験値」も大切です。しかし、私はアイデアを生むために必要なものの中で、「センス」「知識量」「経験値」は20%程度だと思っています。重要なのは、「アイデア生産の4つの工程」であり、これが全体の80%を占めていると思っています。アイデアは、発想する前の準備にかかっていると言っていいでしょう。

逆に言えば、「センス」「知識量」「経験値」だけあっても「4つの工程」を踏まえなければ、ヒットするアイデア、採用されるアイデアは生まれません。

そして、あきらめることなく時間をかけて4つの工程を進むことさえすれば、面白いアイデアを生み出せる可能性は一気に上昇します。

もう一度、考えてみてください。

アイデアを生むための準備を怠りながら、「閃かない」「才能がない」と自ら可能性を閉ざしていませんか? ヒットメーカーやアイデアマンになれる可能性の種を、自ら枯らしていませんか?

杉森 秀則 勝率88%の常勝プランナー

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すぎもり ひでのり / Hidenori Sugimomri

早稲田大学商学部卒業後、NHKにディレクターとして入社。30歳の誕生日に依願退職、フリーのCMディレクターとなる。

2002年、株式会社映像制作センターを立ち上げる。しかし企画コンペに繰り返し応募するも勝てず、一時は廃業も考えるように。「最後のチャンス」として挑んだコンペで従来のやり方を一新、本書のもととなる「アイデアの見つけ方」を開発して逆転勝利。以降、コンペの勝率は劇的に跳ね上がり、国連、防衛省、資生堂など官公庁や大手企業の映像を企画・演出。

現在でも年間15回以上のコンペに参加、負けるのは1〜2回だけ。電通トップクリエーターや有名建築家でさえ勝率30%台と言われる中で、驚異の「勝率88%以上」を誇る。

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